この記事ひとつで準備食マスターに!準備食の詳細から、レシピ、食べていいもの/いけないもの、注意点やポイント、検索が多い具体的な食材まで。細かく徹底解説しています。永久保存版のまとめ準備食記事となっておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
監修 石原 新菜医師
イシハラクリニック副院長/ヒポクラティック・サナトリウム副施設長
著書は70冊以上あり、13万部を超えるベストセラーや『16時間断食』など執筆。公式サイトにて 温活、腸活、妊活、断食、ファスティング、にんじんジュース、生姜、生活習慣病、ダイエットについての情報を発信中。現在テレビ東京「主治医が見つかる診療所」にもレギュラー出演中。
ファスティングの準備食とは?
準備食とはファスティングの効果をより高めるためにおこなう、断食前の食事のことです。急にファスティングをおこなうと、突然エネルギー供給がストップされた体は、至急燃焼経路を変更しなければならず、体に大きな負担がかかります。
体に負担がかかるということは、それだけエネルギーが使われてしまうということ。つまり、ファスティングの目的である『毒素の排出』に割けるエネルギーが減ってしまうということなのです。
ファスティングの効果はさまざまな研究で証明されており、体に良いことがわかっています。でも、数日間の断食をおこなうのは、簡単な事ではありません。
だからこそ、せっかくファスティングをするなら、効果的におこないたいですよね。準備食はファスティングの目的である『毒素の排出』をより効果的におこなうために、とても重要なのです。
ちなみに、ファスティング後に体をもとの食生活に戻すための食事は、回復食といわれます。詳しくはこちらのまとめ記事で解説しているので、よろしければ併せてご覧ください。
準備食のやり方
基本的に準備食が必要となるのは、数日間に及ぶファスティングをおこなう場合です。
2~5日間のファスティングで通常3日間の準備食期間、それ以上は5日間を儲ける場合もあります。ただし、長期間のファスティングをおこなうのは体に大きな負担をかける場合も多く、専門家や医師の指導の元でおこなう必要があります。
逆に1日~半日以下のファスティングでは、通常準備食は不要とされています。
準備食の基本は『消化に良いもの』。わたしたちが普段、当たり前のように食事をしていますが、実は消化するために体は多くのエネルギーを利用しなければならず、それに伴い消化器官は常に働き続けています。
準備食で消化に良いものを食べることで、消化に必要なエネルギーを最小限に抑え、体の他の細胞にエネルギーをまわしてあげることが大切。その状態でファスティングに入ることで、より高い効果が期待できるようになります。
3日間の準備食では、おかゆや野菜がたっぷり入ったお味噌汁などの消化に良い食事をし、徐々にジュースやスムージーなど液体、もしくは液体に近い状態の食事に移行していきます。
また、準備食に適している食べ物とそうでない物もあるため、次の項目でしっかり把握しておきましょう。
準備食で食べていいもの・いけないなもの
準備食で食べていいものと食べてはいけないものの基準も、『消化の良さ』が大きく関わってきます。
例えば、お肉やお魚は消化に時間かかる食べ物です。お米などの炭水化物の多くは約3時間程度の消化時間なのに対し、お肉やお魚は12~24時間以上かかります。つまり、それだけ長い時間、消化器系の内臓がフルパワーで活動しなければならないということであり、準備食では食べてはいけないものに分類されるのです。
また、消化中に毒素を増やすものや、毒素の排出を低下させるものなども、準備食ではNG。
逆に準備食で食べていいものの根底には、古くから伝わる日本食の概念があります。
ま:豆類
ご:ゴマ、ナッツ類
わ:わかめ・海藻類
や:野菜(&果物類)
さ:魚
し:しいたけ(きのこ類)
い:芋類
これらは準備食にも活用可能。ただし、先ほどもお伝えしたとおり、準備食では魚はNG。また、芋類や豆類なども注意が必要なポイントがあります。食品選びのポイントなど、詳しくは以下の記事でご紹介していますので、そちらをご参考ください。
準備食で気を付けたいポイント
準備食で気をつけるべき食材などは以降の項目で具体的にお伝えしますが、ここでは食材以外の注意点を3つお伝えします。
その①軽い運動を取り入れる
老廃物の排出や免疫力を整える効果が期待できるファスティング。より効果的にするために、準備食期間に軽度の運動をして血流を促進させておくのが大切です。また、運動は食欲を抑制する効果もあるとされているため、準備食を成功させるためにとても大切な要素となります。ただし、食料と摂取カロリーが普段よりも少ない準備食期間中には、ハードな運動はNG。筋トレや長距離マラソンなどは控えるようにしましょう。
(参照:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6164815/)
その②ブルーライトを避ける
パソコンやスマホのブルーライトは、私たちの体にとっては毒素、つまりデトックスするべきものということです。また、ブルーライトは交感神経を刺激し、睡眠を妨げる原因にもなります。準備食期間にはよりよい睡眠が重要になるため、できるだけブルーライト避け、仕事などで使用する場合にはブルーライトカットの眼鏡などを活用しましょう。
その③農薬と添加物
準備食で気を付けたい食材に関しては多くの記事にも載っていますが、実はそれ以上に気を付けなければいけないのが、「農薬」と「添加物」です。ブルーライトよりもさらに害をもたらす毒素であり、ファスティング中に活発化する免疫機能・オートファジーの働きを妨げる原因になります。農薬や添加物とオートファジーの関係については、以下の記事で詳しくお伝えしているので、そちらを併せてご参照ください。
準備食にさつまいもは実はNG?
便秘の改善などで有名なさつまいも。多くの記事で準備食に取り入れられる食材として紹介されているのですが、実は準備食に不向きな部分がある食材でもあります。
というのも、さつまいもの豊富な不溶性食物繊維は、落下腸やねじれ腸の多い日本人の腸に蓄積しやすいため、食べすぎると腹痛を伴う便秘などを引き起こす原因になりかねないのです。(参考:がんばらなくても2週間で-3kg 医者が教える奇跡の16時間断食 石原新菜医師著書)
さらに、不溶性食物繊維は水に溶けずにそのままの形で体外に排出される固い繊維のため、腸内を傷つける可能性も…(参考:The 80/10/10 Diet Douglas Graham)
また、さつまいもの栄養素として有名なヤラピンやクロロゲン酸やアントシアニンは皮の近く、もしくは皮自体に含まれています。豊富なビタミンの多くは加熱によって破壊されてしまいます。つまり、さつまいもは栄養素が高いですが、それはあくまでも「皮つきの生のさつまいも」のことなのです。
もちろん、だからと言って体の害になるというわけではないのですが、摂取カロリーを抑える費用がある準備食期間に、わざわざさつまいもを食べなくとも、他の野菜やくだものでより効率敵に栄養を摂ることができるため、おすすめの食材とはいえません。
それでも準備食にさつまいもを取り入れたいという人は、以下の記事でさつまいもを準備食に取り入れるためのメソッドをご紹介しているので、こちらをチェックしてみてくださいね。
準備食でヨーグルトは食べてもいいの?
ヨーグルトも体に良い食材として、日本でも多くの人が積極的に取り入れていますが、こちらは牛乳製品、つまり動物製品のため、準備食ではNGとなっています。
ヨーグルトの期待できる効果と言えば、乳酸菌(善玉菌)の働きによる腸内フローラの改善ではないでしょうか?
でも実はヨーグルトに含まれるこれらの菌は、胃酸に動かなくなってしまうのです…つまり、特別な加工がされている製品以外、乳酸菌を目的にヨーグルトを食べてもあまり意味がないのですね…
また、腸内環境をよくするなら善玉菌をダイレクトに増やそうとするよりも、善玉菌のエサいなるもの=プレバイオティクスと呼ばれるものを食べる方が効果的かつ簡単だとされています。
下記の記事では、
- プレバイオティクスについて
- 準備食中に食べてもいいプラントベースヨーグルトの種類など
なども詳しくご紹介しているので、併せてご参照ください。
準備食に適さない動物性食品“卵”
ヨーグルト同様、動物性食品を排除する必要がある準備食では、卵はNG食材です。豊富なタンパク質と脂質は、消化に時間がかかると同時にアンモニアなどの毒素が生成されるため、デトックスには不向きです。
とはいえ、いくら体内にタンパク質が蓄えられるといっても、準備食後には数日間にわたる断食と回復職が待っており、必要なタンパク質は摂取する必要があるのも事実。
そのため、準備食では植物性のタンパク質を摂取するようにしましょう。卵と豆類を比較してみると、実は卵は意外とタンパク質の含有量が多くないのです。
食品 | 脂質 | タンパク質 | 炭水化物 |
---|---|---|---|
卵 | 10.3g | 12.3g | 0.3g |
小豆 | 2.2g | 20.3g | 58.7g |
そら豆 | 2.0g | 26.0g | 55.9g |
また、豆類は卵に比べて脂質も低いため、準備食にも取り入れやすい食材。タンパク質が豊富なため、たくさん食べすぎるのは良くありませんが、卵の代わりにはベストと言える食材の1つです。
とはいえ、中には豆類のアレルギーやセンシティブな人もいますよね。そんな時には卵を少しずつ食べるというチョイスも考慮してみましょう。
下記の記事では卵を準備食に取り入れる際の注意点などを詳しくお伝えしています。
準備食にそばが最適ではない理由
準備食のメニューにはそばを使用したレシピも多く登場しますよね?そのため、準備食にそばは最適な食材に思われる方も多いですが、実際にはそういうわけではありません。
というのも、そばに含まれるビタミンなどの栄養素の多くは水溶性。そのため、茹でている間にほとんどが水に溶け出てしまい、ビタミンなどを摂取することができないのです。
また、そばにはグルテン(小麦粉)が含まれている製品が多く、準備食では十割そばのみOKとなりますが、十割そばには豊富な不溶性食物繊維が…
栄養素を摂るためには不向きであり、不溶性食物繊維は準備食に向いていないため、そばは「食べてもいいがおすすめでもない」という食材になります。
ただし、おかゆなどの定番メニューは飽きてしまいますし、できるだけ準備食期間にも食事を楽しみたいという人も多いですよね。
そんな人は、そばと組み合わせると良い食材を使った準備食におすすめのレシピも記載している下記のサイトも併せてチェックしてみてくださいね。
準備食に取り入れたいオートミール
準備食中、主食となるおかゆに飽きてしまったという声を多く聞きます。そんな時にはオートミールを取り入れてみるのはいかがでしょうか?
栄養価が高く、同じ量のおかゆと比べると食物性タンパク質も豊富。調理時間も短く済み、味付けも、和風、洋風、中華風だけでなく、フルーツを乗せてデザート風にもすることができ、アレンジも自在です。
また、基本的にオートミールはグルテンフリーのため、おかゆ同様に主食としてしっかり食べられる食材です。
準備食に取り入れられる白米や玄米と比較しても、栄養価が高いことがわかります。
(各100gあたり)
食材名 | カロリー(kcal) | タンパク質(g) | 脂肪(g) | 炭水化物(g) | 食物繊維(g) |
オートミール | 379 | 13.15 | 6.53 | 67.7 | 10.1 |
白米 | 370 | 7.04 | 1.03 | 80.3 | 0.1 |
玄米 | 368 | 7.25 | 3.31 | 76.7 | 3 |
ただ、やはりオートミールも万能な食材ではないため、準備食中には取り入れるためのポイントを抑えておく必要があります。上記の表を見ただけでも脂質などが多いことがわかりますね。
次の記事では準備食メニューでオートミールの食べ方や選び方など購入する前に、見ていただき内容となっていますので、ぜひ併せてご参照ください。
準備食で納豆を食べる際のポイント
準備食に納豆を取り入れる場合、いくつかのポイントを抑えておきましょう。
まず、納豆には食物性タンパク質が豊富なため、動物性タンパク質を摂れない準備食中に活用できる食材です。
ただし、納豆にはバナナの項目でお伝えした“カリウム”が豊富なため、食べすぎると体を冷やす可能性があります。記事内でも何度もお伝えしていますが、タンパク質は消化される際に特性の毒素が生成され、体内で無害の成分に作り替えるためには肝臓の働きと大量の酵素を消耗することになります。(The A.A.A Diet by Paul Fanny, Ph.D.)
また、納豆と言えばナットウキナーゼという酵素が有名で、腸活等に取り入れられることも多いのですが、実はナットウキナーゼを含む多くの酵素は胃酸の影響で働きが停止してしまうため、腸まで届くことが難しいのです。
更に、オーガニックの大豆で作られた無添加の納豆は一般のスーパーに置いてあることが少ないため、注意が必要。
納豆は日本人の栄養を支えるソウルフードですが、準備食に取り入れる際には次の記事で注意点なども確認しましょう。
準備食メニュー
準備食のメニューを決める際は、
- まずはエネルギー源となるメニューを決める
- ビタミンやミネラルを摂取できるメニューを決める
- その日の気分を取り入れる
というポイントを抑えてみましょう。
炭水化物は体を動かすためのエネルギーとなります。実はファスティング中は控えるべきといわれていますが、準備食の段階では適度に補給するべき栄養素でもあります。おかゆやオートミールを活用して、腹6~7分目を目安に主食となるものを決めましょう。
メニュー例や詳細は下記からご覧いただけますので、併せてご参照ください。
また、準備食で不足しがちになるのが、ビタミンやミネラル。必須アミノ酸や脂肪酸は体内に蓄積されて数日間摂取しなくても問題ないものも多いですが、必須ビタミンやミネラルは数時間で排出されてしまうものも多々あります。加熱すると失われるものも多いですが、サラダなどの固形物は準備食で積極的に摂れません。そのため野菜ジュースやスムージーを意識的に取り入れながら、メニューを決めていくのがおすすめです。
次の記事では実際に野菜ジュースを取り入れておこなった準備食のメニューをご紹介しています。
準備食におすすめレシピ
準備食では食材に注意しなければいけないため、レシピにも気をつかう必要があります。でも、計9回の食事に対してそれぞれ注意を払うのは、仕事や子育てで忙しい人にはなかなか難しいものです…
そこでおすすめなのは、『万能レシピ』!準備食に適したおかゆの作り方やだしの取り方を知って多めに作って置けば、それを簡単にアレンジしながら簡単に3日間の準備食を楽しむことができます。
次の記事では、
- 5倍粥
- 和風だし
- ベジブロス(野菜だし)
- ビーガン味噌汁
- 野菜コンソメスープ
などのアレンジ可能な万能レシピや、
- 豆乳とブロッコリーのリゾット
- 納豆雑炊
などのアレンジレシピ、
どうしても甘い物が食べたい時のための
- デーツとピーナツのスイーツ
- 米粉蒸しパン
- 朝食スムージー
などなど。試しやすいレシピが掲載されているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
準備食用コンビニ活用術
上記ではレシピについてご紹介しましたが、3日間の準備食期間のうち、「どうしても忙しくなってしまった」「子供が熱を出した」「残業で作る時間がない」など、さまざまな理由で作れない日が出てくるかもしれませんよね。
でも、作れないからと言って準備食を中断したり諦めたりする必要はありません。24時間開いているコンビニでも、準備食に活用できる便利な食材があります。
ただし、毒素をなるべく摂らないように気を付けなければならない準備食期間。コンビニの多くの食材に含まれる添加物や農薬が含まれる商品には注意が必要です。
こちらの記事では、コンビニで購入できる準備食用の食材をご紹介しています。
「今日は自分で準備食を用意できない!」という時は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
準備食を成功させるテクニック
準備食期間を成功させるということは、そのあとのファスティングの成功へとつなげる第一歩です。そのため、効果的なファスティングには準備食期間の成功が大きなカギとも言えますね。
ここまで、この記事では、準備食について多くの情報をお伝えしてきましたが、成功の一番のテクニックは『食事を楽しむ』ということにあると考えています。
「どうせ好きなものは食べられないのに」
「お酒やコーヒーも飲めないのに」
と、最初から準備食期間は“我慢”するべきだと考える人が多いですが、それでは体内の毒素となる“ストレス”を蓄積させるだけ…毒素を溜めないためにも、ストレスフリーな準備食期間を過ごす必要があるのです。
具体的なテクニックとしては「ご褒美食材」を用意するということが大切。
もちろんステーキや揚げ物、お酒やケーキは準備食ではNGですが、実際準備食をはじめてみると体内の恒常性が調整されはじめ、体は本当に必要な栄養素だけを求めるようになります。
そんな時の「ご褒美食材」としておすすめなのは、品質の高い野菜やくだものの甘いジュースです。絞り機を使ったジュースなら不溶性食物繊維を排除されていて消化吸収も早く、準備食の妨げになりません。
日本ではドリンクに加熱処理を施さなければいけませんが、低温加熱処理の製品なら、栄養もしっかり残っており、お味噌汁やスープでは不足しがちなビタミン類も補給できます。準備食中には味覚が敏感になり、自然の甘味や栄養素を求めるようになるため、無農薬・無添加の甘い野菜やくだもののジュースは、
- 甘味で満たしてくれる
- 栄養を補ってくれる
- より健康的にエネルギーチャージしてくれる
など、自分の体をいたわることで心身ともに満たされ満足感を得られる、準備食にピッタリな「ご褒美食材」となってくれるのです。
ストレスフリーな準備食をおこなうためには、無添加・無農薬の美味しい野菜やくだもののジュースを用意しましょう。自宅にジューサーがある人はもちろん、機械がない場合には、安心して飲めるジュースを購入しておくと便利です。
最後に
今回は準備食のさまざまな情報をぎゅっと一本にまとめてみましたが以下がでしたでしょうか?数日間にわたる断食を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。