ファスティング後の食事(回復食)は、休憩していたお腹を目覚めさせるためにとても重要な役割があります。すぐに通常の食事に戻ってしまうと、体調を崩したり、胃潰瘍などの病気にもなりかねません。今回は回復食とアレンジ可能な万能レシピ5選も併せてご紹介していきます。
ファスティング後の食事(回復食)とは?
ファスティング後の食事は一般的に『回復食』と呼ばれます。ファスティング中に休憩していた、消化器系やその他の内臓をゆっくり目覚めさせる為に必要な食事です。
実は
「ファスティングだけできればOKじゃないの?」
と聞かれることも多く、ファスティング後の食事はファスティング自体に比べるとあまり重要視されていない傾向がありますが、ファスティング後すぐに通常の食事に戻すのはとても危険です。
ほとんど食事をしていなかった体の中は、ファスティング前よりもクリーンになっており、吸収率も高まっていますし、さらにとても敏感になっています。
というよりも、実は、通常の食事で甘味や香辛料、添加物や刺激物などを摂取している私たちの身体は、刺激に鈍感になってしまっているというほうがいいかもしれません。
ファスティングすることで、健康な状態に戻っているということですね。
鈍感な身体には多少刺激物が追加されたところで大差はないかもしれませんが、まっさらでクリーンな身体にはそれらが致命的な刺激物となる可能性もあります。
香辛料は消化されずに腸にダイレクトに届く為、腸内を傷つけたり消化不良や痔の大きな原因にも…。
また、胃で消化されずに長時間停滞してしまうタンパク質や脂質は胃もたれや、さらには胃潰瘍や十二指腸潰瘍を引き起こす可能性も考えられるのです。
そのため、ファスティング後の食事はとても重要と言えます。ファスティング以上に、注意を払いながら、ゆっくりとお腹を慣らして行くためには、まずは液状の食事から始め、3日間かけてゆっくりと通常の食事に戻れるようにケアしていきましょう。
下記では回復食についてさらに詳しく解説しています。回復食3日間のメニューや万能レシピ、具体的な食品のメリットデメリットも盛りだくさんでお伝えしています。
ファスティング後にNGな食事
多くのサイトや書籍でも明記されていますが、ファスティング後の食事には動物食品はおすすめではありません。先ほどもお伝えしたように、タンパク質や脂質は消化に時間がかかるため、長い時間消化器は懸命に働き続けなければならないのです。
準備運動をせずにいきなり過度な運動をするのは危険ですよね?NGの食事はこの“過度な運動”と同じです。怪我をしない為の準備運動だと考え、NGな食事や食品は避けるように気をつけましょう。
特に良くない動物性食品は以下のものです。
- チーズ
- クリーム系の乳製品
- お肉
- 脂身の多い魚
また、動物性食品以外にも、以下のような物は刺激が強いためNGとされます。
- グルテン(小麦粉)
- 精製された糖質(砂糖)
- 不溶性食物繊維が多いもの
- 脂っこい食べ物
- 塩分が高いもの
- 食品添加物
- アルコール
- カフェイン
- 農薬
ここでよくある落とし穴として挙げられるのは、食品添加物や農薬です。これらが体にとって有害なことは知られていますが、実は完璧にそれらを排除するのはなかなか至難のわざ…
食品添加物の中には「ナチュラルフレーバー」などという書き方であたかも体に優しそうな言い回しをしていたり、健康によさそうな野菜ジュースなども原材料が無農薬なのかわからなかったりするものも多々あります。
普段忙しくてコンビニで食事を買ってしまうこともあるかもしれませんが、回復食中はできるだけ無農薬の野菜や果物などを購入して、自分で食事を用意するようにしましょう。
それでも時間がないという方には、こちらの無農薬・無添加野菜ジュースもおすすめです。特に自炊が難しい場合は多めに購入しておき、準備食やファスティング中などにも取り入れると便利です。ぜひチェックしてみてくださいね。
回復食で無農薬・無添加の食品を選ぶのは、ファスティングの目的の一つでもあるオートファジーを活性化させるために、とても重要なポイントです。無農薬製品とオートファジーの関係については、こちらの記事もご参照ください。
ファスティング後の食事で食べて良いもの
次のような食品が挙げられます。
- おかゆ
- 不溶性食物繊維が少ない野菜
(大根、白菜、トマト、きゅうり、キャベツ、セロリ、レンコン)
- くだもの全般…ただしドライフルーツは回復食ではNG
- 野菜や果物の絞りジュース(不溶性食物繊維が取り除かれたもの)
- スムージー(不溶性食物繊維が少ないもの)
ファスティング後の食事は、1日目~3日目まで、摂取するべき内容が異なります。
1日目は基本的に液状の食事、2日目~徐々に固形物を取り入れることができます。ただし、人によってお腹の調子が異なるため、2日目以降も固形物を様子を見ながら取り入れるのがベターでしょう。
断食後の回復食で食べていいものというと、“すっきり大根”などが話題ですよね。でも、実は知らないと危険なデメリットもあります。下記記事ではすっきり大根を試した実際の体験談やメリットデメリットを詳しくお伝えしていますので、併せてご参照ください。
ファスティング後の食事の万能レシピ5選!
ファスティング後の万能レシピ① おかゆ
基本的に1日目は10倍粥からスタートするのがおすすめです。2日目は5倍粥にしたいという方は、お水の量を半分に減らして調整してみてくださいね。
材料 | ・米 大さじ5杯
・水 750ml |
作り方 | ①材料を鍋に入れ、中火で10分ほど加熱。
②沸騰したら30~40分ほど弱火で加熱。 ③加熱が終了したら15分ほど蒸らして完成。 |
完成量 | 675ml (約3~4食分) |
ファスティング後の万能レシピ② 昆布だし
ファスティング後は野菜スープやお味噌汁を多く摂りますが、動物性のだしは使えません。そのため、あらかじめ昆布だしをたくさん作って冷蔵庫にストックしておくのが便利です。
量が多い場合はもちろん半量にして活用できるので、ぜひ試してみてください。
材料 | ・水 5カップ (1リットル)
・昆布 約10~15cm角 |
作り方 | ①鍋に水と昆布を入れて20分ほど浸す。
②鍋を火にかけ20分ほどしたら沸騰する前に昆布を取り出す。 |
完成量 | 約1L |
ファスティング後の万能レシピ③ 野菜たっぷりお味噌汁
以下のレシピは大体2杯~3杯(野菜の量によって異なる)になりますが、何度も作るのが大変という方はたくさん作って冷蔵庫に保管して置けば、回復食の間何度も簡単に食べることができるのでおすすめです。
材料 | ・昆布だし 300ml
・味噌 大さじ1 ½~2杯 ・お好みの野菜 |
作り方 | ①鍋に『万能レシピ②』の昆布だしを入れて火にかける。この時根野菜(カット済み)があればそれも一緒に入れる。
②根野菜に火が通ったら葉物の野菜を投入。 ③全ての野菜に火が通ったら一度火を止め味噌を溶かし、再度沸騰手前まで火にかけなおす。 |
完成量 | ー |
ファスティング後の万能レシピ④ ミネストローネ
動物系のブイヨンを使えない為、『万能レシピ②』で作った昆布だしを利用するか、もしくは無添加の野菜コンソメなどを取り入れてみてください。
こちらもおかゆを入れてリゾットにしたり、投入を追加してトマトクリームスープにしたり。アレンジが効くので、多めに作って置いても良いかもしれませんね。
材料 | ・昆布or野菜だし 300ml
・トマト缶 200ml ・セロリ 1本 ・玉ねぎ 半玉 ・人参 1/2本 ・その他お好みの野菜 ・塩 |
作り方 | ①野菜を大き目のみじん切りにし、耐熱皿に入れて電子レンジで様子を見ながら加熱。玉ねぎは半透明になればOK。
※油を使わないために野菜はレンジで加熱します。 ②鍋にだしとトマト缶、野菜を入れて野菜がやわらかくなるまで煮込む。 ③野菜がしっかりやわらかくなったら、塩で味を整える。 |
完成量 | ー |
ファスティング後の万能レシピ⑤ スムージー
少し甘い物を口にしたいという時には、スムージーやジュースがおすすめです。スムージーを作る際には無農薬の材料を買うことはもちろん、不溶性食物繊維が少ないものを選ぶのも大切。
また、乳製品を利用しないこと、豆乳やナッツ系のミルクもタンパク質や脂質が多いため、2日目以降に取り入れるようにしましょう。今回お砂糖やその他甘味は入れずにバナナの甘味に頼っているため、酸味の強いイチゴは少な目の方が良いかもしれません。水分も少な目にすることで甘味を楽しむことができます。イチゴをオレンジに変えたりほうれん草とキウイをいれたりするのも◎。ただ、甘さがほしい人はバナナを活用するようにしましょう。
材料 | ・バナナ 1本
・イチゴ 3~5粒 ・プラントベースのミルクorお水 150ml程度 |
作り方 | ①ブレンダーでよくミックス |
完成量 | 1杯分 |
ファスティング中に老廃物が排出された体は乾いたスポンジのように『良い成分も悪い成分も』吸収しやすい状態にあります。そのため、回復食中の食材選びには最新の注意を払うべき。「スムージーって不溶性食物繊維の取りすぎにならない?」「でも、毎日オーガニックの新鮮な野菜や果物を買いに行って調理するのは難しい」「加熱したら栄養がなくなるんでしょ?」そんな心配がある方のために、下記では回復食におすすめのアイテムをご紹介しています。ぜひ合わせてご参照ください。
まとめ
今回はファスティング後の食事について詳しくお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?回復食はとても大切ですが、毎食ごとにナーバスになる必要はありません。一度に多めに作っておいて小分けに食べるか、自分が安心して摂れる製品をあらかじめ用意しておけば、より気軽にファスティングに取り組むことができますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。