回復食期間には甘いものを食べてはいけないなら、果物って食べてもいいの?という質問をいただきますが、結論としては準備食で果物を食べてもOKです!でも、すべての果物を食べても良いというわけではなく、NGな果物や注意点もあります。
回復食で果物は食べていいの?
回復食期間中には、チョコレートやケーキなどの甘いものはNGと言われているため、糖分が多い果物もNGと言われることもありますが、結論からお伝えすると「回復食に果物を食べてもOK」です。
ひとつの大きな理由として、チョコレートやケーキなどに含まれる砂糖はショ糖類と呼ばれ、小さな糖質が2~10個未満結合した糖類です。これはフルーツに含まれる単糖類のフルクトースなどに比べ、消化から細胞に吸収されるまでの時間が長くかかるため、回復食期間には適していないと考えられます。
また、果物以外の甘いデザートには、脂質や不要な多糖類も多く、ファスティングから回復したばかりの消化器官に大きな負担をかけることになりかねません。
ビタミンやミネラルも含まれていないため、回復食で甘いものを食べたくなってしまった時には、少しのチョコレートよりも、しっかり果物を食べるようにしましょう。
ただし、ファスティング明けすぐにたくさん果物を食べてもいいというわけではありません。3日間にわたる回復食では、1日目は液体食から始める必要があるためです。下記で順を追って詳しく説明していきます。
また、こちらの記事は回復食について、3日間の進め方やレシピなどをまとめていますので、併せてご参照ください。
回復食に果物を摂り入れる方法
上述でお伝えした通り、回復食はファスティング明けから3日間おこないます。ファスティング明けの一日目には液体の食事がメインとなるため、果物もそのまま食べるのはNG。中にはスムージーを摂り入れるプログラムもありますが、できるだけ不溶性の食物繊維なども排除するのがベター。
不溶性食物繊維は人間が消化できない硬い栄養素のため、空っぽの消化器官を傷つけてしまう可能性があります。
とはいえ、ファスティングで細胞の栄養が枯渇している状態の回復食一日目には、できるだけ栄養をしっかり摂り入れたいですよね。そんな時は、野菜や果物の搾りジュースがおすすめです。
食物繊維を排除し、ビタミンやミネラルなどの栄養素をしっかり摂れる吸収が早い野菜やフルーツのジュースは、回復食一日目のエネルギーチャージにピッタリ。
回復食で果物の栄養を摂り入れたい方はぜひ、搾りジュースをチェックしてみてくださいね。
2日目、3日目には徐々に固形物を摂り入れられるようになります。ただし、一気にたくさん食べてしまうと消化器官が驚いてしまうので、ジュースなどと組み合わせながら少しずつ体をならしていきましょう。
回復食については下記からさらに詳しい情報をチェックすることができます。知りたい項目をリサーチしてみてくださいね。
回復食でOK・NGな果物
回復食で食べてもOK・NGな果物をご紹介します。ただし、下記の内容はあくまでも一例です。
人それぞれの体質や季節などによって、回復食におすすめのフルーツが変わりますので、それも踏まえた上でご参照ください。
回復食でOKな果物
- リンゴ
- サクランボ
- もも
- みかん
- プルーン
- ぶどう
回復食でNGな果物
- スイカ
- パイナップル
- レモン
- グレープフルーツ
- 柿
- 梨
ただし、これらは季節や体調によって食べてもOKな場合もあります。次の項目でお伝えする回復食中のフルーツの選び方と注意点を参考に、自分に合ったものを選びましょう。
下記では同じく質問の多い回復食中の“バナナ”について詳しくご紹介しているので、こちらも併せてご参照ください。
回復食用フルーツの選び方と注意点
上述でお伝えした通り、果物は体質や季節、環境などによって食べてOK/NGが変わってきます。そのため選び方や注意点を把握しておき、自分に合ったフルーツの種類や取り入れ方を見つけましょう。
回復食用フルーツの選び方と注意点①“冷え”に注意
果物の中には“体を冷やしやすい”特徴を持つものがありますよね。特徴として、南国の果物や夏が旬のくだものは、体を冷やしやすい性質をもっています。
ファスティング中は食事を摂らないために体が冷えやすくなります。そのため、回復食で果物を摂り入れる場合、
- 寒い季節
- もともと冷え性
- 運動を習慣化していない
- 女性特有の周期で体が冷えやすくなっている
が当てはまるかどうかチェック。当てはまる項目があれば、上記で【食べてもOK】に記載した果物を。
逆に、もともと代謝が良い人や、夏場、運動後や女性特有の周期でほてりがつらいという場合には、【食べてはNG】でご紹介した体が冷えやすい果物を活用することもできます。特に食事が少ないファスティング中は水分量が減りがち。運動後や暑い日、汗をたくさんかいたあとなどは、スイカなどの水分が多い果物を活用するのもいいかもしれません。
自身の体質や環境、状況に併せて準備食用の果物を用意できるのがベターですね。
回復食用フルーツの選び方と注意点②無農薬を選ぶ
回復食で特に気を付けたいのは農薬や添加物の摂取です。そもそもファスティングの目的はオートファジーを活性化させて、体内に蓄積した老廃物をより多く排出すること。断食により細胞を飢餓状態にしてオートファジーを活発化させることで、体内をお掃除するのです。
日本の食文化は西洋化し、手軽で簡単に食べられるインスタントやコンビニ食の使用率も増え続けています。農林水産省の2009年から2019年の調査によると、野菜や果物、生の肉や野菜などの購入率は減少しているものの、加工食品や外食を利用する率は増加していることがわかっています。
https://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/r2/r2_h/trend/part1/chap2/c2_2_00.html
つまり、忙しい現代人は年々添加物や農法がわからない原材料を多くとりいれ続けている可能性が高いのです。これは私たちの体の“毒素”となって蓄日々積していきます。
そんな毒素を排出するためのファスティングや回復食では、できるだけ“毒素”をとりすぎない方が良いことがわかりますね。
回復食のために体に優しいものを選ぶなら、国産の無農薬果物がおすすめ。回復食には旬の安心安全な果物を楽しみながら選んでみてください。
また、下記では農薬とオートファジーの関係について詳しくご紹介しているので、ぜひ併せてご参照ください。
回復食用フルーツの選び方と注意点③食物繊維に注意
上で少し触れていますが、食物繊維が多い果物には注意が必要です。食物繊維には水溶性と不溶性があり、回復食で注意が必要なのは不溶性食物繊維と言われています。
そもそも人間には不溶性食物繊維を消化するための消化酵素がありません。そのため、口内でかみ砕いた後は、硬い不溶性食物繊維はそのままの形状で排出されることになります。
そのため、『腹持ちが良い』『太らない』などとダイエットにおすすめされたり、『腸内の便をからめとってキレイにしてくれる』と便秘の人に推奨されたりしますよね。
でも、実は、日本人の約8割がねじれ腸や落下腸と言われる腸の形をしており、消化されない不溶性食物繊維がつまりやすい体質なのです。便秘になりがちだったり、排便の際に下腹部に痛みや違和感を感じる方はねじれ腸や落下腸の可能性が高く、不溶性食物繊維が逆に便秘を引き起こす要因となります。
回復食では消化器官が空っぽになっているため、硬い不溶性食物繊維は刺激が強く、不調の原因になる可能性も・・・。特に普段から便秘気味で排便時に痛みや違和感があるねじれ腸の可能性が高い人は、回復食中の不溶性食物繊維に注意しながら果物を選びましょう。
ねじれ腸 落下腸 滞った便がグイグイ出てくる 快うんマッサージ January 27, 2021by 水上健 (著)
回復食中の果物の食べ方
回復食中の果物の食べ方いくつかご紹介します。食べるタイミングや食べ方を工夫することで、より効率的にフルーツを取り入れることができます。
回復食中の果物の食べ方①液体にして摂り入れる
先ほどもお伝えしていますが、回復食の一日目は不溶性食物繊維を抜いた搾りジュースを摂り入れましょう。
2日目行こうはスムージーにして摂取することができますが、無農薬の果物を用意するのが難しい場合には、あらかじめ市販で安心して飲めるジュースを用意しておくのも便利です。
下記では無添加無農薬の野菜や果物をコールドプレスジューサー(※)丁寧に絞ったフレッシュジュースをご紹介しています。気になる方はぜひチェックしてみてください。
(※コールドプレスジューサーとは、通常のジューサーよりも低速で摩擦をかけずに野菜や果物を絞ることができる特別な機械のこと。これにより栄養や味をできる限り維持しながらジュースを作ることができる。)
回復食中の果物の食べ方②朝に摂り入れる
人間の体は朝に毒素を排出するメカニズムをもっています。夜就寝中に体の免疫機能が毒素を集めて、朝起床したら体外に排出するのです。朝に便意や尿意が起こりやすいのもその影響。でも、それと同時に、「排出と吸収を同時に行なえない」という特徴も持ち合わせています。
つまり、朝ごはんをしっかり食べてしまうと、人間の体は吸収することに集中しなければならず、毒素の排出がおろそかになってしまうのです。
だからと言って、仕事や学校前に何も食べずに行けば、エネルギー切れを起こしてしまいますよね。もちろんお休み中に回復期を向かえられればいいですが、多くの人はファスティングをお休みの日に行なうため、準備食期や回復食期はどうしても平日になってしまうことも多いです。
そんな時、消化が早く良質なエネルギー(糖)を豊富に蓄えた果物がおすすめ。素早い吸収でエネルギー変換されるので、排出の時間である朝にも取り入れられる食材です。
回復食中の果物の食べ方③野菜と組み合わせる
果物にはビタミンやミネラルなどが豊富に含まれていて、ファスティング明けのエネルギチャージにおすすめ食材と言えます。でも、やはり補い切れない栄養素も多々あります。例えば緑の葉物に多いファイトケミカルなどの抗酸化作用を持つ栄養素やβカロチン、葉酸、その他多くの栄養が野菜には豊富に含まれています。
そのため、果物だけではなく野菜と組み合わせて栄養を摂るのがおすすめ。
フルーツや野菜の栄養素は加熱によって破壊されるものが多いですが、飲みにくい野菜を果物を合わせてジュースにすれば、フレッシュのままおいしくいただけます。
ぜひ無農薬・無添加で栄養満点の搾りジュースを活用してみてください。下記ではカリフォルニアでファスティングを学んだ筆者が実際に試した回復食に一押しのアイテムをまとめています。ぜひ併せてご参照ください。
まとめ
今回は回復食に食べてもOK・NGな果物や、選び方、摂り方などについて詳しくご紹介しました。おいしく楽しく健康的に回復食を成功させるために、ぜひ参考にしていただけたらうれしいです。