酵素ドリンクは効果がある?科学的な根拠から、その真実を詳しく解説します。『酵素ドリンク 意味ない』で検索中の方は必見です。今回はファスティングで酵素ドリンクを飲んでも意味がないと言われる理由を徹底解説してきます。
そもそも酵素ドリンクってなに?

まずは酵素について
酵素は人体に約3000種類以上もあると言われていて、生命活動に必要不可欠な触媒です。
触媒とは、化学反応の速度を速める物質であり、自身は反応の前後で変化しないものを指します。酵素というと、消化酵素などをイメージすることが多いかもしれませんが、エネルギーを生成したり、細胞をつくったり、考えたり、喜怒哀楽を感じたり、筋肉を動かしたり、心臓を動かしたり。体内でおこなわれるほとんど全ての化学反応は“物質が変化する”ことによって起こり、それらは酵素に促されています。
ヒトの体は水分以外に糖質、脂質、タンパク質の他、補酵素とよばれるビタミンやミネラルなどでできています。そしてこれらを生命として活動させているのが、酵素なのです。
酵素はそれほどヒトにとって大切なものなのですね。
参考①BYJU’S
参考②(PDF) Immobilized enzymes: a comprehensive review
参考③Bulletin of the National Research Centre
酵素ドリンクとは?

酵素ドリンクとは、酵素を含む飲み物のことで、一般的には果物や野菜、ハーブなどを発酵させて作られます。酵素ドリンクの効果は以下のようなものがあると言われています。
※あくまでもネット上で一般的に書かれている内容を独自にまとめたもので、科学的な効果を証明したり、弊社が推奨しているものではありません。
- 酵素を補給:酵素ドリンクで酵素を補うことができるといわれている。
- 消化の促進: 酵素が消化を助けることで、胃腸の働きを改善し、栄養素の吸収をサポートすると言われています。
- デトックス効果: 発酵によって生成された成分が、体内の毒素を排出するのを助けるとされています。
- 代謝の向上: 酵素は代謝を活発にするため、エネルギーの消費を助けるとされています。
- 免疫力の向上: 健康な腸内環境を保つことで、免疫力が向上すると言われています。
酵素ドリンクで酵素を摂取できない

さきほどお伝えした通り、酵素は人体にとって必要不可欠な存在です。
でも、実は他の栄養素などと違い、「体内で生成されるもの」であり、外から摂取しても体内で酵素として働くことはないのです。
酵素は必要な種類と量が体内のタンパク質などを利用して生成されます。そして、ビタミンやミネラルなどの補酵素と呼ばれる栄養素が関与して、酵素の働きをサポートします。
つまり、私たちが充分に体内で酵素を確保し、それを正常に利用するために必要なのは、酵素を生成・活動させるための栄養素であり、酵素自体ではないのです。
酵素の経口摂取について~ジョンズ・ホプキンス医大の見解~
欧米では医大が大学病院でも有名なジョンズ・ホプキンス医大の公式サイトでは、酵素サプリメントなどの傾向摂取について、主に以下のような見解をまとめています。
- 消化酵素が少なく、消化に影響がある人が摂取することで、消化を助ける働きが期待できる可能性がある。
- 健康な人が飲んでも効果が期待できない。
- 科学的根拠がないものが多く、マーケティングによる過大広告で印象が左右されている。
アミラーゼやリパーゼなど、消化器官の中でも胃や十二指腸などで用いられる酵素を食事と摂取することで、もともと消化酵素の分泌が少ない人や疾患がある人にとって、症状の改善がみられる可能性があるとされています。
ただし、これは固形物を摂取していないファスティング中にはあまり関係のない効果と言えます。また、酵素が腸まで届いて吸収され、そのまま酵素として生命活動をするわけではありませんので、酵素ドリンクがファスティングで意味がない可能性がわかりますね。次の項目でさらに詳しく見てみましょう。
ファスティングに酵素ドリンクは意味がない理由

先ほどもお伝えしましたが、酵素は体外から摂取するものではなく、体内で生成されるものです。そのため、酵素を外から摂ろうとしても基本的には摂取できません。
また、酵素ドリンクはそのほかの理由でも、意味がないと考えられます。
酵素ドリンク【意味ない】理由①胃酸で動かなくなるため
酵素が体内で生成されるものとお伝えしましたが、これはすなわち、生物の中には酵素があるということを指しています。
そのため、酵母菌や乳酸菌などの“菌”を活用した食品や食べ物には酵素が多く含まれています。菌は生物だからです。
でも人体ではそれらを食すとき、多くの菌は胃酸で殺菌されます。そうでなければ私たちが多くの菌を受け入れることになり、多くのウイルスや細菌に感染してしまうからです。
この胃酸で菌は殺菌され酵素も動かなくなります。いくら酵素を目的として酵素ドリンクを飲んでも、私たちは自分の体を守るための殺菌作用で酵素も働かなくなるのです。
酵素ドリンク【意味ない】理由②日本の法律で加熱処理が必要

ヒトの体で作用する酵素のほとんどが40℃をこえたあたりで非常に活発になり、それ以上高温の環境では徐々に変性して反応しなくなります。
私たちの体内にウイルスが侵入したりすると、熱がでますよね?これは、酵素を活性化させて免疫細胞をより動かすための、必然的な身体反応です。酵素がより働きやすい環境を作り出すことで、体の中のばい菌をやっつけようとしているのですね。
でも、人間は50℃の体温には耐えられませんよね?その状態ではすでに生命反応も断たれており、酵素も動かなくなっています。
日本の法律では飲み物を販売する際、細菌を殺菌するために65℃以上の加熱処理が必要です。
参考:9.2: Influence of pH and temperature on enzyme activity – Biology LibreTexts
菌の中に酵素がある
⇩
菌を殺菌するための加熱処理
⇩
酵素も働かなくなる
つまり、日本の法律的に、酵素を含んだ飲料をつくるのは難しいのです。そのため、もし酵素ドリンクをファスティングに摂り入れたいという人は、自家製ドリンクがおすすめです。下記では酵素ドリンクの作り方やレシピをご紹介しています。手作りの酵素ドリンクなら熱処理を加えていないので、酵素を体に摂り入れることはできます。気になる方はぜひ併せてご参照ください。

酵素ドリンク【意味ない】理由③補酵素は発酵食品から摂る意味がない

補酵素であるビタミンやミネラルも、酵素ドリンクのメリットとして挙げられますが、ビタミンやミネラルをわざわざ酵素ドリンクから摂る必要はありません。
なぜなら、ビタミンやミネラルはフレッシュな野菜や果物に含まれているものであるため。
代謝やデトックスを目的としたファスティングでは、ビタミンやミネラルなどの補酵素が酵素をサポートします。
そのため、アメリカなどファスティングの本場では、食物繊維などを排除して、低摩擦で栄養素とうま味を最大限に残こしたコールドプレスジュースで、ファスティングやジュースクレンズをするのがメジャーです。
スーパーやモールなどの一角にもコールドプレスジュースショップを見かける程、「体をキレイにする=オーガニックのコールドプレスジュース」という意識が一般的なアメリカ。
実はカリフォルニアで栄養学などを学んでいた筆者も、体が疲れていると感じた時にはコールドプレスジュース使って簡単なファスティングをおこなっていました。
ピカベジ公式LINEでは、筆者が海外の論文などを用いた最新ファスティング情報などをメッセージさせていただいております!ぜひご登録ください。
ファスティングに酵素ドリンクを飲むメリットはある?

酵素ドリンクを飲んでも酵素は摂れない可能性が高いことがわかりましたが、ファスティングで酵素ドリンクを飲んで効果が出たという人もいるようです。考えられる理由を3つご紹介します。
①消化器官を休めることができる
現代人は一日3食の食事をとり、間食やコーヒー、アルコールなどを楽しみますが、こうした生活をおこなっていると、消化器官は24時間フル活動しなければならず、消化器官はいつも疲労を溜め込んでいる状態に…
- 慢性的に疲労を感じる
- 消化が遅くなった気がする
- 代謝が遅くなった気がする
- 肌荒れが治らない
そうしたお悩みを感じている人は、消化器官の疲労がピークに達しているサインかも…。
酵素ドリンクは少量飲むだけなので、ファスティングで消化器を休めることができ、効果を実感した人がいるのかもしれません。

②甘味を楽しめる
ファスティング中は食欲と戦うのが最大の難関。完全なファスティングは一定時間や期間、水やお茶以外摂取しない方法や普通ですが、酵素ドリンクを飲んでもOKとなれば、一日に数回甘味を摂取することができ、罪悪感もなく続けられるのかもしれません。
③補酵素を補給できた
野菜や果物に含まれる補酵素が含まれている酵素ドリンクは、代謝の促進をサポートした可能性もあります。ファスティング自体が肌の改善などに効果的だと言われていますが、酵素ドリンクを飲んでさらに効果を感じた人もいるかもしれません。
酵素ドリンク自体のメリットではない?
酵素ドリンクで効果を感じたという人の口コミを見てみると、酵素ドリンクのメリットというよりは、“ファスティングで得られる効果”や“酵素ドリンクでなくても得られるメリット”ばかりに思いませんか?
酵素ドリンクの最大のメリットは、やはり『酵素』。その酵素を体外から摂取できないということは、酵素ドリンクをわざわざファスティングに摂り入れるメリットはあまりありません。
「なら、ファスティング中は何を飲めばいいの?!」という方のために、酵素ドリンクのを代用品は次の項目でお伝えします。
ファスティングで酵素ドリンクなしでもOK!代用品は?

基本的にファスティングに酵素ドリンクはあまり意味がないと考えられますが、それではファスティングでどんなものを飲めばいいのでしょうか?
基本的にファスティングと呼ばれる期間は、水やノンカフェインのお茶以外は飲まないのがスタンダードな方法です。下記では一般的なファスティングで飲んでいい飲み物をご紹介しています。

ただし、水やお茶以外何も飲まないというのは、少々ハードルが高いですよね?…
そんな、酵素ドリンク以外で何か飲めるものをお探しの人におすすめなのが、コールドプレスジュースです。
上述でもお伝えした通りコールドプレスジュースはアメリカやオーストラリアなど、ヘルスケアが盛んな国ではメジャーなドリンクの一つ。
ちなみにコールドプレスジュースとはコールドプレスジューサーという専用機械で絞られたジュースのこと。消化器官の負担を減らすために、不溶性の食物繊維を抜き取った野菜や果物のジュースのため、ファスティングにぴったり。機械で生じる摩擦を最大限カットしているため、ビタミンやミネラル、うま味はしっかり残りつつ、栄養を摂りながら消化器系を休ませることができます。
数時間置きにジュースを飲むことで、空腹感を補いながらファスティングに挑戦することができます。
下記ではファスティングを酵素ドリンクなしでおこなう方法をより詳しくご紹介しているので、ぜひご参照ください。

酵素ドリンクなし!ジュースクレンズとは?
酵素ドリンクの代わりにコールドプレスジュースを使ったファスティング方法を「ジュースクレンズ」=「ジュースで体をクレンズ(キレイに)する」と言います。
豊富なビタミンやミネラル、その他野菜や果物の栄養素を取り込みながらファスティングできるため、体内の酵素の活性化につながり、老廃物の排出などをサポートするといわれています。
下記ではジュースクレンズの詳しいやり方や著者が実際に行っている方法もご紹介しているので、ぜひ併せてご参照ください。

ただし、ジュースクレンズをおこなう際は、酵素ドリンクを選ぶ際同様、無農薬や化学肥料不使用の原材料を使用した無添加ジュースを選ぶ必要があります。【ピカベジ】では、農薬・化学肥料・添加物不使用で、医師の監修を受けたジュースクレンズ専用セットをお届けしています。ぜひチェックしてみてください。
まとめ
今回はファスティングで酵素ドリンクは意味がないということを、海外データなどを用いてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?ぜひ楽しく健康的なファスティングをおこなうために、ご参考にしてみてくださいね。