今回は回復食にうどんは適しているのか。についてお伝えしていきます。うどんは消化に良い食品として言われる一方、グルテンが含まれるために注意が必要だと謳われている場合もあります。ここでは、うどんのメリットデメリットを詳しくご紹介していきます。
ファスティング回復食にうどんがおすすめと言われる理由
回復食はファスティング後に身体を徐々に回復させるためにとても重要です。そのため、回復食に何を食べるか知っておく必要があるのですね。
その中でも、日本では多くのサイトなどで、回復食にうどんが勧められています。実際にそれらを読んでみてみると、回復食にうどんがおすすめと言われる理由が大きく分けて2つあることがわかりました。
回復食についてさらに詳しく解説しているまとめ記事はこちら。回復食3日間のメニューや万能レシピ、具体的な食品のメリットデメリットも盛りだくさんでお伝えしています。
回復食にうどんがおすすめの理由①消化が早い?
それでは早速うどんの消化時間をその他の炭水化物食品と比較してみましょう。もちろん、消化時間が短いほど消化しやすいということがわかります。
食品名 | 消化時間 |
うどん | 2時間半~3時間弱 |
パン | 3時間 |
白米 | 2時間半~3時間 |
おかゆ | 2時間半 |
このようにうどんは同じ小麦食品ではパンと比較すると多少消化時間が短いですが、回復食に取り入れられる他の食品と比べても特別消化が早いということはなさそうですね。
回復食にうどんがおすすめの理由②離乳食にも食べられるから?
いくつかの記事に記載されていたとおり、うどんは赤ちゃんの離乳食にも取り入れられている食材であり、“身体にやさしい”という認識が高いようです。
実際にマサチューセッツ病院のHPにも
引用”You can introduce foods with gluten when your baby is ready to try solid foods. This is usually any time after 4 months of age.”
(赤ちゃんが固形物を食べる準備ができたら、グルテンを取り入れることができます。それは大体4か月以降を指しています。)
と明記しています。
そのため、赤ちゃんの時からグルテンを含むうどんを取り入れることは可能のようですね。
また、うどんはパンなどと違って小麦と水などのシンプルな原材料からできている為、小麦以外のアレルギーを心配する必要もなく、免疫への刺激が少ないという意味でも、離乳食や回復食に取り入れられているのかもしれません。
シンプルな食材で回復食にも話題の食べ物といえば、“すっきり大根”なども聞いたことがあるのではないでしょうか?下記記事ではすっきり大根を試した実際の体験談やメリットデメリットを詳しくお伝えしていますので、併せてご参照ください。
ファスティング回復食にうどんを食べるデメリットは?
ここからはうどんのデメリット、メリットの順で、項目を分けてお伝えしていきます。
やはり、うどんのデメリットと言えば「グルテン」だと考えられます。
うどんは炭水化物と言われますが、実はグルテンはタンパク質です。
wikipediaにはグルテンの説明について、以下のように記されています。
引用‟グルテン (gluten) あるいは麩質(ふしつ)は、小麦、ライ麦などの穀物の胚乳から生成されるタンパク質の一種であるグルテニンとグリアジンが水を吸収して網目状につながったもの[1]。料理では小麦粉に水を加えてこねる事でこれら2つのタンパク質が絡めあわされてグルテンが作られる[2]。
引用元【グルテン フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』】
つまり、グルテンのもちもちやコシは、こねることで2種類のタンパク質が混ざりあってできているのですね。
ジョンズ・ホプキンズ大学という世界屈指の医学部を有する大学のサイトには、グルテンの消化について以下のように述べています。
引用”Humans have digestive enzymes that help us break down food. Protease is the enzyme that helps our body process proteins, but it can’t completely break down gluten. Undigested gluten makes its way to the small intestine. ”(人間にはプロテアーゼという痰タンパク質分解酵素があるが、グルテンのタンパク質はそれらを完全に分解することができない。そのため未分解のグルテンはそのまま腸へ向かってしまう。)
【引用元】グルテンは体にどんな影響を与えるのか
でも、よくグルテンフリーなどの製品が売られているけど「私は別に小麦を食べても問題ないよ?」という人も多いですよね?
グルテンは重度のアレルギーでない限り、グルテン不耐性としての症状は「少し身体が重いな(疲れているな)」「ちょっと今日は便秘(下痢)ぎみかな?」「吹き出物ができたな」などのありふれたもの。そのため、自分がグルテンで体調を壊している可能性があるということに気づかない場合が多いのです。
うどんに含まれるグルテン不耐性とは?日本人の割合も
グルテン不耐性とは、うどんなどに含まれるグルテンによって消化器に不調があらわれたり、未消化の影響で身体が疲れやすくなったりする症状のことです。
ただし、これはグルテンアレルギーほど影響があるわけではなく、身体の負担にはなっているものの、多くの人が気づいていない場合があります。
実際に日本ではどれくらいの人がグルテン不耐性なのでしょうか?
下記のワールドポピュレーションレビューという世界の人口に対してさまざまなリサーチをおこなっているサイトを見ると、驚きの結果がわかります。
【引用元】Gluten Intolerance by Country 2023
日本の人口は約125,700,000人のうち、約123,294,513人がグルテン不耐性ではないかと言われているのです。
つまり、日本でも多くの人が気づかぬうちにグルテンによる不調が続いているかもしれないということですね。
回復食では「できるだけ身体にやさしい」食事を意識する必要があり、栄養の少ないうどんを無理に摂取する必要はないかと考えられます。
ファスティング回復食にうどんを食べるメリットは?
とは言え、日本では回復食にうどんを取り入れている人も多く、メリットもあります。
回復食にうどん!メリットその①シンプルな食材である
うどんは他の小麦食品の代表である、パンやパスタと違い、卵や牛乳が使われていません。そのため、グルテンというデメリットはあるにしろ原材料が非常にシンプルな為、小麦食品としては身体に優しい食材と言えますね。
うどんは基本的に小麦粉と水、塩などのシンプルな原材料でできています。逆にこれ以上の物が含まれていると化学添加物の可能性がありますので、特に回復食の際には摂取を控えるようにしましょう。
回復食にうどん!メリットその②体質に合う人もいる
デメリットの項目でお伝えした通り、日本では知らず知らずのうちにグルテン不耐性で苦労している人が多くいるのがわかりましたが、中には体質に合う人ももちろんいます。
むしろ「お米を食べると胃がもたれる」という人も…
当の筆者も、普段から小麦は控えてお米を食べるようにしているものの、体調によってはおにぎり等で胃もたれすることがあります。
昔よく母親に「お米は腹持ちが良いから」と言われた経験がある人は少なくないと思いますが、その言葉通り、腹持ちが良いということは消化に時間がかかると言うこと。
実際、白米が主食の日本人でもお米が合わないという人もおり、消化器科のお医者さんの中には、お米の消化不良を伝えていることもあります。
普段なんとなく、お米よりも小麦の方が身体の調子が良いという場合は、回復食で取り入れてみるのも良いかもしれませんね。
回復食にうどん!メリットその②ビーガンレパートリーと増やせる
回復食では基本的に動物性食品の摂取はNGです。
詳しくはこちらの回復食についての記事も併せてご参照ください。
お肉や魚、卵やだし、乳製品などもできる限り摂取しない方が良いとされています。でも、普段から白米とおかずを組み合わせて食べている日本人には、こうした動物性タンパク質無しでお米を食べるのが難しい場合も…
そんな時、うどんはビーガンやベジタリアンレシピをアレンジするのにもってこいの食材です。
おかずを何品も作る必要もなく、どんぶり一杯で一食分としてなりたちますし、1人暮らしや普段あまり自炊をしない方でも調理しやすいのも◎
ただし、うどん(小麦粉)には栄養がほとんどありませんので、回復食中に必要な栄養はたっぷりのお野菜等で摂取するようにしましょう。
なかなか野菜をたくさん食べるのが難しい、買っても食べきれない、などという場合には、野菜ジュースもおすすめです。回復食中はできるだけ刺激の強い不溶性食物繊維を大量に摂取したくないため、ジューサー等で絞ったジュースがベター。市販の製品を買う場合は、うどん同様原材料に注意し、不要な甘味料や希釈剤などが入っていないことを確認してください。
下の記事ではうどん以外に、回復食中の栄養補給やエネルギーチャージにおすすめなアイテムをご紹介しています。また、製品の選び方も詳しく記載しているので、「簡単」に「健康的」なアイテムを取り入れて、回復食を成功させてください!
回復食にピッタリなうどんレシピ3選!
お米よりもうどんのほうが体に合う!という人や、準備食から続くおかゆ食に飽きてしまって気分転換したいという人も!ぜひ参考にしてみてください。
回復食うどんレシピ①シンプル昆布だしうどん
まずはシンプルなレシピをご紹介!回復食で話題のすっきり大根などをやる際に大根があまってしまいそうな方は、大根おろしなどのトッピングも◎
材料 | ・ゆでたうどん 一人前・※1昆布のだし汁 2 1/2カップ・しょうゆ 小さじ2・砂糖 小さじ1・塩 適量・小口ネギや大根おろしなどお好みのトッピング |
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作り方 | ①昆布だしを鍋に入れ、沸騰したらゆでて置いたうどんを入れる。②再沸騰したら火を弱め、調味料で味を整える。③小口ネギ、大根おろしなどをお好きなトッピングを添えて完成。 |
完成量 | 約1食分 |
※1、回復食におすすめの昆布だしレシピは、以下の記事をご参照ください。
回復食うどんレシピ②温とろろうどん
長いもには水溶性食物繊維が豊富に含まれており、回復食で徐々に活動が再開し始めた消化器官のサポートをしてくれます。
材料 | ・ゆでたうどん 一人前・※1昆布のだし汁 2 1/2カップ・しょうゆ 小さじ2・砂糖 小さじ1・塩 適量・長いも 6㎝程度・小口ネギ 適量 |
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作り方 | ①長いもの皮を剥いてあらかじめすりおろしておく。②昆布だしを軽く沸かしてうどんを入れる③調味料を入れて味を整える。④器に盛り付けたあとにとろろを盛り付けて完成。 |
完成量 | 約1食分 |
長いもに含まれるビタミンやミネラルの多くは加熱によって変性してしまいます。多くの野菜は固形のため回復食中に生で食べるのは控えるべきですが、すりおろしたとろろは比較的消化も早いため、うどんを盛り付けた後に追加するのがベターです。
回復食うどんレシピ③納豆うどん
回復食も3日目になれば納豆などタンパク質を多く含む固形物も少量ずつ取り入れられるようになります。
材料 | ・ゆでたうどん 一人前・2倍濃縮 昆布めんつゆ 大さじ2杯~・納豆 ½~1パック |
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作り方 | ①温うどんがいい場合はゆでたあと洗い流さず皿に盛る。冷うどんがいい場合は冷水でしめてから皿に盛る。②混ぜた納豆とめんつゆをかけ、お好みで小口ネギなどのトッピングをして完成。 |
完成量 | 約1食分 |
納豆は日本の健康食品としても有名ですが、実はオーガニック製品が以外と少なく、回復食では良質な製品を選ぶのが大変という人も多いです。
ファスティングの最大の目的でもあるオートファジーの効果は、農薬や添加物の影響で半減してしまいます。農薬とオートファジーの関係については下記の記事で詳しくご紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
まとめ
今回は回復食にうどんを取り入れられるかについて、詳しくご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?デメリットと言えるグルテンのお話もありましたが、日本人に馴染みがあり調理しやすいうどんにはメリットもありましたね。もしうどんを取り入れたい場合には、栄養を別でしっかり摂取することを意識してみてください。
ファスティングに卵はNG?取り入れ方についての記事はこちらから。