今回は16時間ファスティングでコーヒーを飲んでもOKなのか、どんな人が飲んではNGなのかセルフチェックも交えてお伝えします。また、コーヒーに牛乳やミルク、お砂糖を入れた場合とブラックコーヒーで飲む場合のオートファジーへの影響の違いなどについて解説していきます。
16時間ファスティングでコーヒーはOK?
ネット情報などを確認すると16時間ファスティング中にコーヒーを飲んでもOKという情報を目にすることもありますね。でも、ここでは、16時間ファスティング中にコーヒーを摂るのはNGとしています。
ただし、これは16時間ファスティングの効果に影響があるというよりは、“体の健康自体”に影響があるのです。まずは16時間ファスティングでコーヒーを飲む際のメリット・デメリットをご紹介していきます。
メリット | デメリット |
---|---|
代謝をアップさせる作用が期待できる。脂肪の燃焼率を高める可能性がある。カロリーがほとんどないため、オートファジーの働きを疎外しにくい。 | 胃に負担がかかる。利尿作用が強いため、水分不足になりがちな断食には適切とは言えない。 一時的に興奮を促したあと、反動でやる気の低下や不安が上昇する傾向がある。 |
参考資料①Health Line.
②The effect of caffeine intake by Pubmed
③Caffeine energy drink by Pubmed
メリットを見ていただくとわかるように、コーヒーには代謝を促す作用があります。そのため適度なコーヒーの摂取はむしろファスティングの効果を後押ししてくれると考えられている場合も多いです。
また、16時間ファスティングの最大の目的であるオートファジーの活性化は、体が飢餓状態なることが条件ですが、コーヒーは低下カロリーのためオートファジーの邪魔をしにくく、ファスティング中も摂取することができます。
オートファジーについては、下記の記事を読むとさらに詳しい内容を把握できますので、併せてご参照ください。
16時間ファスティングでコーヒーを控えるべき理由
一見メリットが多そうに見えるコーヒーですが、なぜ控えるべきなのでしょうか?
その理由のひとつが、コーヒーが胃に負担をかける場合があるためです。コーヒーに含まれる酸は、アメリカでは“Coffie acid(コーヒー酸)”などと呼ばれることもあり、これらには
クロロゲン酸およびN-アルカノイル-5-ヒドロキシトリプタミドなど、胃酸に分泌を促したり、影響を及ぼす酸があります。
実際にコーヒーと胃の不調に関してさまざまな研究や見解がありますが、日本では9000人以上を対象として大きな研究がおこなわれ、論文が2013年に発表されています。
日本では胃のトラブルを抱えている人が多いですが、この研究では潰瘍や食道炎など日本でメジャーな胃の疾患に胃酸が影響しているということを明記した上で、以下のように伝えています。
All the four upper gastrointestinal disorders examined in the present study have been considered as acid-related diseases. Therefore, it is easy to conceive that coffee containing caffeine stimulates the gastric acid production, and consequentially increases the risk of these disorders. (訳
本研究で調査された四つの上部消化器障害はすべて酸関連疾患と考えられています。したがって、カフェインを含むコーヒーが胃酸の生成を刺激し、それによりこれらの障害のリスクを増加させることは容易に理解できます。)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3680393/
また、コーヒーは利尿作用が強いことでも知られていますね。16時間ファスティング中は体が冷えやすく、飲み物を飲む量が減る人も多いため、水分を多く摂ることも大切ですが、利尿作用が強い飲み物を飲むのを控えることも同様に大切です。
16時間ファスティングでコーヒーを飲んで良い人・ダメな人
先ほどコーヒーは胃酸の分泌を促すため、16時間ファスティングで空腹中に飲むのはおすすめではないという話をしましたね。
とはいえ、コーヒーが代謝や脂肪燃焼を促すという研究結果も多いですし、日常的にコーヒーを飲んでいる人はやはり飲みたい場合も多いようです。そこでご自身が16時間ファスティング中にコーヒーを飲んでもOKかどうか、簡単なセルフチェックをしてみてください。
16時間ファスティングでコーヒーはOK【セルフチェック】
- 胃潰瘍の症状がある、または以前治療した経験がある。
- 十二指腸潰瘍の症状がある、または以前治療した経験がある。
- 逆流性食道炎の症状がある、または以前治療した経験がある。
- 非びらん逆流性食道炎の症状がある、または以前治療した経験がある。
- その他胃のむかつきや痛みを感じやすい。
いかがでしょうか?この中でひとつでも当てはまるものがある場合には、少なくとも16時間ファスティング中にコーヒーを飲むのを控えるべきだと考えられます。
実は先ほどの実験には続きがあり、
However, multivariate analysis of the healthy subjects could not detect significant association between coffee intake and upper gastroduodenal ulcer diseases. (しかし、健康な対象者の多変量解析では、コーヒー摂取と上部十二指腸潰瘍疾患との間に有意な関連が見られませんでした。)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3680393/
とされています。
つまり、健康体の人にとって適切なコーヒーの摂取はメリットが多いですが、胃などの消化器官に問題がある・過去に問題があった場合には気を付ける必要があるということですね。
とはいえ、これに当てはまらないからと言って、16時間ファスティング中にコーヒーを飲んで必ずしも健康を保てるというわけでもありません。自身の体と相談しながら飲み物を決めるのも大切ですね。
ちなみに筆者は若い頃に十二指腸潰瘍を何度がやっており・・・普段はコーヒーを飲むこともありますが、16時間ファスティング中には飲まないようにしています。。。そんな筆者が16時間ファスティング中に飲んでいる飲み物については下記の記事でランキングにしていますので、併せてチェックしてみてくださいね。
16時間ファスティングでコーヒー&牛乳はNG
16時間ファスティング中にコーヒーがメリットとなる人もデメリットとなる人もいるようですがこれはあくまでも“ブラックコーヒー”に限ります。16時間ファスティングでコーヒーを飲んでも良いと言われるのは、オートファジーを邪魔しないことが絶対条件。
そのため、牛乳やミルク、お砂糖などの甘味料が入ったコーヒーはNGです。牛乳やミルクはタンパク質や脂質を含み、甘味料は糖質を含むため、細胞が飢餓状態にならないのですね。
16時間ファスティング中にコーヒーを飲みたいという人は“ブラックコーヒー”にしましょう。
16時間ファスティングで上手にコーヒーと飲むコツとは
「私は胃が弱いから16時間ファスティングをするならコーヒーを止めないといけないのか・・・。」と思ったひともいるかもしれませんが、そんなことはありません!
16時間ファスティング中ではなく、食事が可能な8時間の間なら、適度にコーヒーを摂り入れることができますし、ラテやフラッペなどいつも飲んでいるものを楽しむことができます。
- 16時間ファスティング中ではなく、8時間でコーヒーを楽しむ
- ノンカフェインコーヒーを摂り入れる
- 16時間ファスティング明けすぐにはコーヒーを飲まない
- ハーブティーなどを利用する
など。これまでコーヒーを楽しんでいたひとは少しのコツや工夫を意識することで、16時間ファスティングを継続することができます。
下記には16時間ファスティング中に飲んでもいいもの・よくないものをまとめましたので、併せてご参照ください。
まとめ
今回は16時間ファスティン中のコーヒーの取り扱いについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?16時間ファスティングへの影響や効果はもちろん、自身の体の状態や全体的な健康を考え考えながら飲み物や食べ物を決めることはとても重要です。ぜひ参考にして健康的なファスティングライフを楽しんでみてくださいね。