16時間ファスティング中は基本的に食べ物はNG。そのため、水分補給に飲んでいいものと飲んではいけないものについて気になる方も多いようです。今回は16時間ファスティングを効果的に成功へ導くための、16時間ファスティング中の『飲み物』についてお伝えしていきます。
16時間ファスティングについて
16時間ファスティングとはその名の通り、16時間“断食”するファスティング方法です。アメリカではよく16/8やIntermittent fasting(とぎれとぎれなファスティング)などと表現されます。
断食というと数日間の空腹に耐えるようなイメージがありますが、16時間ファスティングでは24時間のうち16時間断食すればいいので、残りの8時間は普通に食事をすることができます。
食べない16時間には睡眠時間を含めることができますので、7~8時間の睡眠と考えると、8~9時間の断食に耐えるだけでOK。
とくにおすすめなのは朝食を抜く方法です。朝は“排出の時間”であり、睡眠中に処理された老廃物を外に出すための時間なのです。人間は排出と吸収を同時におこなえないため、朝にたっぷり朝ごはんを食べてしまうと、体は吸収かすることに集中しなければならずに排出がおろそかになってしまいます。
そのため、朝は“16時間ファスティングで飲んでもいいもの”をしっかりとりつつも食事は控えることで簡単に16時間の断食をクリアすることができるんです。
(参考:がんばらなくても2週間で-3kg 医者が教える奇跡の16時間断食 石原新菜医師監修)
16時間ファスティングにはさまざまな効果があり、国内外問わず多くの人が取り入れています。効果については以下の記事で詳しくお伝えしていますので、そちらをご覧ください。
16時間ファスティングで飲んでいいもの
早速、16時間ファスティングで飲んでいいものをご紹介していきます。
代表的な飲み物は以下の通り。
- 水
- ノンカフェインのお茶
『え?』これだけ?!と思われるかもしれませんが、基本的に16時間ファスティング中に飲んでいい飲み物はこの二つです。
お茶の場合、麦茶やルイボスティーなどがおすすめです。
16時間ファスティングで炭酸水はおすすめ度60%
ネット上では16時間ファスティングに無糖の炭酸水を飲むと空腹を紛らわせられるとして、おすすめされていることがあります。でもカリフォルニアで細胞栄養学を学んだ私としては、「おすすめではない」人もいると言えます。
実は、糖質が全く含まれていない炭酸水が体に悪いというエビデンスは出ていません。つまり、水と炭酸だけで作られた製品は、体に害がないと考えられています。
ただ、私が実際にファスティング中の人を観察していた際、炭酸水を飲んで胃が痛くなったり、げっぷのあとに胃液の味がしたという人が何人かいました。
完全に空腹の状態でげっぷの原因となる炭酸水を飲むと、胃液が一緒に上がりやすくなる人がいるんですね。そのため、無糖の炭酸水を取り入れたいという場合は、
- 水と炭酸以外が入っていないか確認
- 逆流性食道炎などの経験がない
という場合に、少しずつ取り入れて見るのがおすすめです。
せっかく健康と消化器系の内臓を休ませるためにおこなうファスティング。なるべく刺激のない飲み物が選ぶのが成功のカギとなります。
16時間ファスティングで飲んではいけないもの
それでは、16時間ファスティングで飲んではいけない飲み物をご紹介します。
- アルコール類
- コーヒーなどのカフェインを含むドリンク
- 塩分や糖分、炭化物が追加されたドリンク
- 刺激物となる成分が含まれるドリンク
など。基本的には水とノンカフェインのお茶以外がNGという認識です。
16時間ファスティングでハーブティーはOKじゃないの?
ハーブティーとは、その名の通り、『ハーブ』を使ったお茶のことで、その多くがノンカフェインですので、健康目的や美容目的、妊娠中などでも飲めるお茶です。
そんなハーブティー、16時間ファスティングでは『飲んでいい種類と悪い種類』があります。
というのも、ハーブはただ香りやフレーバーを楽しむためのものではなく、海外ではレメディーとしても取り入れられます。イギリスではハーブは漢方のような扱いで、きちんとハーブ専用の薬剤師資格などもあるほど。植物に含まれる成分をうまく用いて体の回復力をアップさせたり、炎症を鎮静させたりする効果が期待できるのです。
そしてその中には食欲促進効果のあるハーブもあります。
例えばローズマリーやミントティー、苦味(bitter)が強いハーブなどは消化促進を促したり胃液を増やしたりする働きがあります。
より効果的な16時間ファスティングには刺激物はNG。薬にも取り入れられるハーブは、取り扱いに詳しい場合でなければ避けて置いたほうがベターと言えます。
16時間ファスティングで8時間は何を食べてもOK?
基本的に16時間のファスティング時間以外の8時間は何を食べてもOKと言われています。
でも、より効果的にファスティングをおこないたい場合には、やはり8時間の間の食べ物にも注意して置くのがベターです。
冒頭でもお伝えしましたが、16時間ファスティングは細胞の飢餓状態を保つことでオートファジーを活性化させるのが目的です。
よく勘違いされがちなのが、「16時間立てば必ず細胞が飢餓状態になるんでしょ?」「16時間で必ずオートファジーが活性化するんでしょ?」ということなのですが、実はそういうわけではありません。
消化器官にエネルギー源のなる食べ物が残って入れば、オートファジーは促進されないのです。
つまり、消化に悪い食べ物を食べたり、満腹になるまで食事をしてしまうと16時間以内に消化→吸収が終わらず、ファスティングの効果が半減・もしくはなくなってしまう可能性があるんです。
例えば揚げ物やお肉に含まれる脂質の消化時間は種類と量によって12~24時間ほど消化器官に停滞すると言われており、これではオートファジーは覚醒しません。食べすぎで胃の働きが低下していたり、活動量が少なくエネルギーが消費されない人も、細胞が飢餓状態にならない場合があります。
そのため、もちろん普段から健康的な食生活を送ることが大切ですが、毎日管理するのが難しいという人こそ、16時間の飲み物と8時間の食べ物に気を付けて、より効果的なファスティングをおこないましょう。
16時間ファスティングの落とし穴
16時間ファスティングで飲んでいいものといけないものを把握しました。ここまでは多くの記事でも書かれていますし、ご存じの人も多いかったかもしれません。
そして食事ができる8時間中の食べ物も気をつけることで、より効果的なファスティングをおこなえることもわかりましたね。
でも、実はもう一つ、16時間ファスティングで知って置くべき落とし穴があるんです。
それが、農薬や添加物です。
先ほど脂質は消化に時間がかかるとお伝えしましたが、農薬や添加物などの“毒素”は循環器系の働きによって体外に排出されます。
でも、これも消化器系と同じように、たくさん蓄積すれば排出や処理に時間がかかりますよね。時間がかかるということは、処理しきれなかった毒素はどうなるでしょうか?
それらは体に蓄積するんです。
16時間ファスティングでは一度そこから入って来る毒素をストップさせることで、オートファジーの助けを借りて蓄積した毒素を排出するという目的があります。
つまり、食事ができる8時間のうちに農薬や添加物が含まれる食べ物や飲み物を対象に摂取すれば、毒素は蓄積したままになってしまうということなんです。
農薬や添加物とオートファジーの関係は下記の記事で詳しくお伝えしています。オートファジーはファスティング生活のキーワード。ぜひこちらも併せてご参照ください。
まとめ
今回は16時間ファスティング中に飲んでいいもの、悪いものについて詳しくお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?8時間の食事にも注意が必要なことがわかりましたね。
より効果的な16時間ファスティングをおこなうためにも、
- 栄養バランスのとれたヘルシーな食事
- 腹八分目
- 無添加無農薬食品を選ぶ
など、に注意して、効果的で健康的なファスティング生活をエンジョイしてください。
また、下記記事ではファスティング関連でおすすめのアイテムや食材の選び方などをご紹介しています。併せてご参照ください。
参考文献:①The 80/10/10 Diet by Dr.Douglas N.Graham
②The AAA Diet Holistic nutrition by Paul Fanny Ph.D
③Spark by Ratey MD, John J., Hagerman, Eric