ファスティング(断食)後の回復食では、一般的に卵はNGとされています。その理由は、そもそも回復食に動物性食品自体が適していないからです。ただし、卵はある条件下で取り入れることができます。今日は回復食の卵の取り入れ方についてご紹介します。
ファスティング(断食)後の回復食に卵はNGな理由

ファスティング(断食)後の回復食に卵は良くないと言われています。その理由は、卵は動物性食品だからです。回復食にはお魚やお肉などの動物性食品はもちろん、牛乳やヨーグルトなどの製品も適していないと言われています。
なぜなら、これらの動物性食品はどんな状態のものであれ、消化に負担がかかってしまう為です。そして卵も例に習って動物性食品であるため、消化に時間と負担がかかります。ここでは回復食に卵がNGな理由を2つに分けて解説していきます。
回復食についてさらに詳しく解説しているまとめ記事はこちら。回復食3日間のメニューや万能レシピ、具体的な食品のメリットデメリットも盛りだくさんでお伝えしています。

回復食に卵がNGな理由その①脂質
回復食で卵がNGな理由の一つが脂質です。動物性の食品は植物性の食品と比較すると、それ自体に多くの脂質を含んでいます。
ゆで卵はよく、筋トレやダイエットで取り入れられることがあるため、タンパク質が豊富で脂質が少ないと勘違いされていることがあります。でも、実際卵がトレーニング中に取り入れられるのは、炭水化物が少ない為で、卵は決して脂質が少ない食品とは言えません。

同じくタンパク質が豊富な植物性食品と比較してみましょう。
食品 | 脂質 | タンパク質 | 炭水化物 |
卵 | 10.3g | 12.3g | 0.3g |
小豆 | 2.2g | 20.3g | 58.7g |
そら豆 | 2.0g | 26.0g | 55.9g |
参照:Composition and facts about foods by Ford Heritage
一般的に脂質は炭水化物よりも消化に時間がかかり、炭水化物が3時間程度で消化されるのに対して、脂質は10~24時間かかる場合もあります。つまり、卵などの脂質を摂取すると次の食事を摂取するまでに消化が終わっていない為、常に消化器が動き続けていることになるのです。
ファスティング後の回復食はその名の通り、身体を回復させることが最大の目的。一気に酷使せずに徐々に身体を慣らしていくためにも、脂質を抑えるべきなのですね。

回復食に卵がNGな理由その②毒素
卵などの動物性食品を摂取すると、消化の際に身体にアンモニアなどの毒素の残基が生まれます。これは肝臓によって身体に害がない成分に作り替えられ、身体から排出されるので、多くの場合は「問題がないもの」として扱われています。
しかし、身体に毒素を取り込み、それを分解して排出するというのは、やはり身体への負担が大きいもの。特に、ファスティング中に休憩していた身体には余計に負荷がかかってしまいます。
普段の食事ももちろんですが、回復食中の食事ではさらに意識して毒素を摂らないようにすることで、ファスティングの効果を持続させることができます。

卵にはさまざまな栄養が備わっているものの、回復食という点でみると、あまりおすすめの食材とは言えないのですね。
また、よくグラスフェッドやオーガニックの卵なら毒素がないというコマーシャルを耳にすることがありますが、これは「化学薬品やホルモン剤などの心配がいらない」ということを意味しています。
根本的な卵自体の性質=消化中に毒素が発生するという所はどんな品質の卵を選んでも変わらないということを理解しておく必要があります。
卵の性質はもちろん、やはり農薬や添加物などは体にとって悪影響な“毒素”です。ファスティングはこれらの毒素を排出するためにオートファジーを活性化させる目的があり、回復食で毒素を排除することは断食の効果を継続させることにもつながります。ぜひ無農薬製品とオートファジーの関係について学んで、回復食中の食材選びに役立ててみてください。詳細はこちらから。

ファスティング回復食に卵を取り入れる正しい方法

ここまで、回復食には卵がNGだというお話をしてきましたが、ある条件を満たすことで卵を取り入れることができます。
カリフォルニアで細胞栄養学などを学んでいる私としては、回復食中に動物性食品を無理して取り入れる必要はないと考えています。しかし、食の細い人や女性、ファスティング後にどうしても食欲が戻らない人などは、回復食中に必要な栄養を取り入れるのが難しい場合があります。
そんな場合には、他の動物性食品を取り入れるよりも、卵を活用する方がベターだと考えられます。
回復食に卵を取り入れるためのポイントは以下の通り。
- 1日目には食べない
- 2日目の後半から3日目の間に食べる
- 何日目でも朝食には食べない
- 一度にたくさん食べない
回復食一日目は基本的に流動力や液状の食事を摂るのが良いとされています。卵だけでなく、固形物自体がNGです。

2日目と3日目は少しずつ固形物を取り入れるタイミングになりますが、「排出・代謝」が活発となっている朝の時間帯に卵を摂ると、これらの働きが低下してしまいます。それは消化にエネルギーが必要になるため、「排出・代謝」に必要なエネルギーが節約されてしまうのです。
また、一度にたくさん食べると、やはり消化器系への負担となってしまうため、卵は少量ずつ取り入れるのがベターです。
こちらでは回復食3日目に取り入れられる食品や献立をご紹介しています。卵を取り入れる前に、ぜひ一度ご覧ください。

ファスティング回復食で使える卵レシピ3選

回復食の2~3日目に使える卵料理のレシピを3選をご紹介します。卵は少量ずつ取り入れるのが良いとお伝えしましたが、卵を少しずつ使うのって難しいですよね。ですので、3食分などを一気に作って、卵1つを3回に分けて食べられるように、出来上がり量が多めのレシピをご紹介します。ぜひ参考にしながら、ご自分に合った方法を探してみてくださいね。
また、食が細くて回復食時の栄養が心配という方は、フレッシュな野菜や果物のジュースなどを取り入れるのがおすすめです。ビタミンやミネラルなどの栄養をしっかり取り入れられるだけでなく、エネルギーに必要な糖質も摂取できます。こうした栄養価の高いジュースはファスティング中でも使えるので、気軽にファスティングを試したい方、普段あまり自炊しない方は以下のような製品もチェックしてみてくださいね。
下の記事では回復食中の栄養補給やエネルギーチャージにおすすめなアイテムをご紹介しています。また、製品の選び方も詳しく記載しているので、「簡単」に「健康的」なアイテムを取り入れて、回復食を成功させてください。

回復食用卵レシピ①卵粥

10倍粥の卵粥のレシピです。
材料 | ・米 大さじ5杯
・水 750ml ・卵 1つ |
作り方 | ①材料を鍋に入れ、中火で10分ほど加熱。
②沸騰したら30~40分ほど弱火で加熱。 ③溶いた卵を細く落としてさらに5分ほど煮込む。 ④加熱が終了したら15分ほど蒸らして完成。 |
完成量 | 675ml (約3~4食分) |
回復食用卵レシピ②野菜と卵の味噌汁

材料 | ・昆布だし 300ml
・味噌 大さじ1 ½~2杯 ・お好みの野菜 ・卵 1つ |
作り方 | ①鍋に『万能レシピ②』の昆布だしを入れて火にかける。この時根野菜(カット済み)があればそれも一緒に入れる。
②根野菜に火が通ったら葉物の野菜を投入。 ③全ての野菜に火が通ったら一度火を止め味噌を溶かし、再度沸騰手前まで火にかけなおす。 ④少しふつふつしている状態で卵を細く落として2~3分ほど火を通して完成。 |
完成量 | 2-3杯分 |
昆布だしの摂り方はこちらで確認できます。

回復食用卵レシピ③回復食用エッグノッグ

あまり馴染みがない方もいるかもしれませんが、エッグノッグとはミルクと卵を混ぜたほんのりあまりイングランド発祥の飲み物です。栄養価が高いため、風邪をひいた時に飲まれることも多く、時にはブランデーを入れて寒い冬に身体を温まめる飲み物としても取り入れられます。今回は回復食でも利用できるように卵の割合を半分~1/3に減らしたレシピとなっています。
材料 | ・お好みの植物性ミルク 350ml
・卵 一つ ・ハチミツ お好み ・シナモンパウダー お好みで少々 |
作り方 | ①鍋に卵を入れてよくかき混ぜる。(ブレンダーを使うのも◎)
②①に豆乳を少しずつ加えながら都度丁寧に混ぜる。 ③弱火で豆乳と卵を温めて、ハチミツとシナモンをお好みで加えたら完成。 |
完成量 | 3杯分 |
まとめ
今回はファスティング(断食)後の回復食で取り入れる卵について詳しくご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?ポイントを抑えながら、必要な人は取り入れてみてくださいね。また、以下では回復食におすすめのバナナについてご紹介していますので、併せてご参照ください。

参考文献:①The 80/10/10 Diet by Dr.Douglas N.Graham
②The AAA Diet Holistic nutrition by Paul Fanny Ph.D
③The Human body