準備食でヨーグルトはOK?ファスティングと乳酸菌について

ヨーグルトは体にいいという印象が強く、ファスティングの準備食でもとりいれたいひとも多いですが、実は動物性食品であるヨーグルトは準備食的にはNGなのです。今回は準備食中にも食べられるヨーグルトの種類や、乳酸菌についてご紹介していきます。

目次

準備食でヨーグルトがNGな理由

ファスティングでは本的に動物性食品がNGとされています。そのため、牛乳で作られるヨーグルトも、準備食を含めるファスティング中は食べないのがベターです。

ではなぜ、準備食中に動物性食品を摂らない方がいいのでしょうか?それは“消化”と関係しています。

基本的にファスティングの目的は、普段多くのエネルギーや燃料を必要とする消化活動を一時的にストップすることで、他の内臓機能や免疫機能を高めて体を回復させることにあります。準備食には、消化器系の活動量を徐々に減らしてスムーズにファスティングに入るための重要な役割があります。

つまり、準備食では“できるだけ消化器官に負担がかからないもの”を選ぶことがポイントとなるのです。

ヨーグルトを含める動物性食品は、植物性食品と比べても消化に長い時間がかかります。その理由は、豊富な脂質とタンパク質。

人間は燃料として糖質を第一優先に消化していくため、人体的に糖質(炭水化物)の消化はスムーズにおこなえるように造られています。その反面、タンパク質や脂質を消化する際にかかる時間が下記の通り。

炭水化物2~3時間以上
タンパク質4~7時間以上
脂質10~24時間以上

多くのタンパク質や脂質を摂取すると、食事と食事の間では消化しきれないことがわかりますね。食事と食事の間もずっと消化器官が活動していることになり、消化が終わる前に次の食事が追加されることになります。消化器系の内臓をフル活動させなければならないのです。

もちろん三大栄養素であるタンパク質や脂質も人間にとってとても大切です。でも、これらは植物性食品にも含まれているため、特に準備食中には動物性食品を摂らないことがファスティング成功へのカギと言えるでしょう。

準備食でも食べられるヨーグルト

準備食中に動物性食品は避けるべきですが、ヨーグルトを食べたいというひとのために、プラントベースのビーガンヨーグルトの種類をご紹介します。私がカリフォルニアで栄養学を学んでいるときには、以下のような種類のプラントベースヨーグルトを見かけました。最近は日本のスーパーやコンビニでも売られているものもので、ぜひチェックしてみてくださいね。

  • アーモンドヨーグルト
  • ココナッツヨーグルト
  • ライスヨーグルト
  • オートミールヨーグルト
  • カシューナッツヨーグルト
  • 豆乳ヨーグルト

ヨーグルトという名前がついていますが、原材料は牛乳ではなくあくまでも植物由来。そのため、味もそれぞれ異なります。お好みのものがあればいいですが、初めは少し食べにくいと感じるひともいるかもしれません。

そんな時はスムージーにしたり、少しフレーバーを加えたり、くだものと合わせたりして食べてみるのもおすすめです。

また、日本人にはなじみ深い豆乳で造られたヨーグルトはコンビニでも購入できる場合もあります。ぜひ下記の記事も併せてチェックしてみてくださいね。

ただし、プラントベースヨーグルトのほとんどの原材料が豆類となっており、タンパク質や脂質が多く含まれています。そのため食べる量には注意しましょう。

準備食中に乳酸菌が必要?食べても意味がない?

ヨーグルトを食べることのメリットとして挙げられるのは、やはり乳酸菌ですよね。厚生労働省が運営するサイト、e-ヘルスネットでは、乳酸菌について以下のように説明しています。

引用:‟発酵によって糖から乳酸をつくる嫌気性の微生物の総称。腸内で悪玉菌の繁殖を抑え、腸内環境を整える。(中略)人体に有益な菌のため「善玉菌」とも呼ばれます。(中略)ヨーグルトなどでよく知られているビフィズス菌も乳酸菌の一種です。”

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-026.html

つまり、乳酸菌とは人間の腸にとって有益な菌のこと。“腸活”などで注目されるのはこのためなのですね。準備食期間中はもちろん、どんな時でも乳酸菌が腸内に存在することが健康に繋がると考えられています。

「それならやっぱり乳酸菌を食べた方がいいんだ!」と思うかもしれませんが、実は、腸内に乳酸菌が多く存在することと、乳酸菌が豊富なヨーグルトなどの食品を食べることは、イコールでつながるわけではありません。

乳酸菌は胃酸に弱く、そのほとんどが腸にたどり着く前に胃の中で動かなくなってしまうのです。

もし乳酸菌を腸まで届けたいというひとは、少し高価にはなりますが乳酸菌がしっかり腸まで届くように造られた製品や、胃の中で消化されないカプセルに入れられてサプリメントなどを摂るのがベター。一般的なヨーグルトを食べたからといって善玉菌を増やせるわけではないので、無理をして準備食に摂り入れる必要性がなさそうですね… 

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ファスティング準備食でできる腸活

でも、せっかく体内をきれいにするためにファスティングをするのだから、準備食でもしっかり腸活したいけど、ヨーグルトがだめならどうしよう…そう思うひとも多いのではないでしょうか?

もちろん、準備食でも腸内の善玉菌である乳酸菌を整えることは可能です。

その方法が、プレバイオティクスを摂取すること。

論文を掲載しているNational Library of Medicine ではプレバイオティクスについて以下のように説明しています。

引用:Prebiotics are a group of nutrients that are degraded by gut microbiota. (中略)

They can feed the intestinal microbiota, and their degradation products are short-chain fatty acids that are released into blood circulation, consequently, affecting not only the gastrointestinal tracts but also other distant organs. 

(訳:プレバイオティクスは、腸内フローラで分解される栄養素のグループです。それらは腸内微生物叢に栄養を与えることができ、その分解生成物は血液循環中に放出される短鎖脂肪酸であり、その結果、胃腸管だけでなく他の遠隔臓器にも影響を与えます。)

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6463098/

つまり、プレバイオティクスは乳酸菌などの善玉菌の餌になるということ。実は、食事から乳酸菌自体を摂ることが難しいものの、今腸内に存在している乳酸菌を増やすしたり整えたりすることは、食生活の改善から可能といわれているのです。

同サイトには以下のような説明をあります。

引用:Fructo-oligosaccharides and galacto-oligosaccharides are the two important groups of prebiotics with beneficial effects on human health. (訳:フルクトースとガラクトースは、人間の健康に有益な効果をもたらすプレバイオティクスの 2 つの重要なグループです。)

また、食物繊維の中でも水溶性食物繊維はプレバイオティクスのエサとして有用とされます。これらが多く含まれる野菜やくだもの、海藻類などは、お腹を整える為にたくさん摂取したい食品です。

ただし、食物繊維には水溶性食物繊維の他に、不溶性食物繊維というものも存在します。これは人体では消化できない成分のため、準備食のように消化器官に負担をかけたくない食事をするなら、不溶性食物繊維は減らすべき…

そんな時は、絞り機やジューサーを使った野菜やくだもののジュースがおすすめです。ミキサーやブレンダーと違い、水溶性食物繊維を含む多くの栄養素をキープしたまま、不溶性食物繊維を取り除くことができます。

腸活のためにヨーグルトやスムージーを摂り入れていたというひとも、野菜ジュースに置換えて善玉菌にエサを与えてあげるのがおすすめす。準備食ではおかゆやお味噌汁など、定番メニューに野菜ジュースを追加するだけで、準備食中にも腸活に取り組むことができますね。

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まとめ

準備食中にはヨーグルトは適しておらず、腸内の乳酸菌を増やすには“エサ”を与えることが大切だということがわかりましたね。健康やダイエット、美容を目的としたファスティングをより効果的におこなうために、準備食中の食品にも目を向けてみてくださいね。また、以下の記事では準備食中のおすすめレシピなどをご紹介しているので、併せてご参照ください。

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この記事を書いた人

1988年4月28日生まれ。カリフォルニア在住。3児の母。
現在現地の大学院にて代替医療や細胞栄養学などを勉強中。健康・美容関連のライター歴は7年目となり、海外ならではの最新療法をお伝えしています。

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