今回は3日間のファスティングやスケジュールについてご紹介していきます。なぜ3日間のファスティングが効果的と言われているのか、どんな特徴やメリットデメリットがあるのか徹底解説しつつ、実際の体験談やおすすめの方法なども詳しくお伝えします。
3日間ファスティングとは?なぜ3日なの?
3日間ファスティングとは、一般的に3日間何も食べない断食をすることです。
ファスティングにはさまざまな方法があり、1日ファスティングや半日などの短期間のものから、3日~1週間と長期にわたるものもあります。
ファスティングは健康目的でおこなわれる断食のこと。目的は大きく分けて2つあります。
- 消化器官を休めること。
- オートファジーを活性化させてデトックスを促すこと。
当たり前のことですが、食事を一時的に摂らなければ消化器官は休憩することができますよね。体は消化に大量のエネルギーを消費していますし、現代人の多くは24時間いつも体内に食物が入っていて消化器官がフル回転している状態だと言われています。
そのため、1日や半日間ファスティングするだけでも、①番の目的である消化器官を休めることを実現できるのです。
また、ファスティングのもう一つの目的である②番のオートファジーを活性化させるためには、ただ食事を抜くだけではなく「細胞を飢餓状態」にする必要があります。細胞に栄養が枯渇すると、オートファジーという自己分解システムが作動して、古くなったり悪影響のある変性した細胞を優先的に分解して、タンパク質をリサイクルさせる働きがあるのです。
オートファジーの活性化はだいたい空腹状態が16時間以上続く場合とされています。そのため16時間ファスティングなども注目を集めていますよね。
ただし、脂質やタンパク質は消化に時間がかかるため、ただ16時間断食しただけではオートファジーのスイッチがONになるとは限りません。
- ファスティング前に脂質やタンパク質を摂りすぎた人
- 消化器官が弱っていて消化が遅い人
- 日頃から食べすぎている人
- 体内の栄養が足りていなくて代謝が遅い人
なども16時間の断食ではオートファジーが活性化させられるとは限らないのですね。
つまり、16時間はあくまでも最低ラインの時間であり、ファスティングの大きな目的である①番と②番の両方の効果を得たいと考えた場合には、3日程度の断食がベターと考えられているのです。
3日間ファスティングの効果
ファスティングの効果には下記のようなものがあります。
- デトックス効果
- 免疫力アップ
- 肌荒れの改善
- イライラや不安の改善
- やる気やモチベーションのUP
- 睡眠の質改善
- ダイエット効果
- 食欲コントロール
- アンチエイジング効果
食べない日を作るだけで、こんなにたくさんの効果が期待できるのですね。
その根本的な理由は上述でもお伝えしたように、消化器官を休めることでエネルギーを温存し、その分を脳や免疫細胞、その他さまざまな体内の化学反応などに利用することができるため。
また、オートファジーを活性化することで、体内で炎症作用をもった細胞の自己分解を促すことが期待できる他、海外の論文では以下のようなことも記されています。
“Specifically, in cancer, autophagy plays a dichotomous role by inhibiting tumor initiation but supporting tumor progression. Early results from clinical trials that repurposed hydroxychloroquine for cancer have suggested that autophagy inhibition may be a promising approach for advanced cancers. 訳:特に癌において、オートファジーは腫瘍の発生を抑制する一方で、腫瘍の進行をサポートする二重性の役割を果たします。癌治療においてヒドロキシクロロキンを再利用した臨床試験の初期結果からは、オートファジーの抑制が進行したがんに対する有望なアプローチである可能性が示唆されています。”
Targeting autophagy in cancer
さまざまな効果が期待できるファスティング。下記の医師監修記事でより詳しくファスティングの効果をまとめていますので、気になる方はぜひご参照ください。
3日間ファスティングのスケジュール
3日間のファスティングというのはただ3日間食べないだけというわけではありません。
実は体を断食に慣らしたり、また断食から普通の食事に戻るために必要な、「準備食」「回復食」という、専用の食事を摂る期間も必要です。
専用と言っても消化を意識したおかゆやお味噌汁などを取り入れた内容の食事で、難しいものではありません。ただし、食べてもいいもの・食べてはいけないものや日数によって異なる食べ物などもあるので、注意は必要です。
準備食と回復食については、食品やスケジュールなどをそれぞれまとめた記事がありますので、詳しくはそちらをご参照ください。
3日間ファスティングのスケジュールは以下の通り。
1ー3日目 | 準備食 |
4-6日目 | 断食 |
7-9日目 | 回復食 |
こうして見ると、3日間ファスティングというものの、全9日間のスケジュールになりますね。
3日間ファスティンで飲んでいいもの
3日間ファスティングの間に飲んでもいいものは基本的に以下の2つ。
- 水
- ノンカフェインのお茶
炭酸もOKとしている場合もありますが、人工で作られた炭酸には添加物が含まれている可能性もありますし、完全に空腹な胃の中に炭酸を取り込むとげっぷと一緒に胃酸が上がって気やすくなる人もいます。
そのため、炭酸水を飲みたい場合には、それぞれの体調や体質と相談してみてください。
水分は一日に2L程度を目安に摂ります。食事をしないと体内で消化がおこなわれないため体が冷えやすくなることもあります。そんな時は冷たいお水やお茶ではなく、白湯やホットティーを取り入れましょう。
3日間ファスティング「実際にやってみた!」
カリフォルニアでヘルスケアを学んできた筆者が定期的におこなっている3日ファスティングのスケジュールをご紹介します!ぜひ参考にしてみてください。
※ただし、3日間のファスティングには栄養不足やその他体調不良のリスクも伴う可能性があります。ご自身の体調や必要な場合は医師に相談などをしてからおこなうようにしましょう。
準備食期間:1~3日目
徐々にファスティングに備えるために、1日目→3日目にかけてゆっくり固形物→液体食に以降していきます。
1日目 | 朝: オートミール粥 バナナや果物昼: 野菜リゾット、サラダ、野菜ジュース間食:野菜ジュース夜: 5倍粥、具だくさん味噌汁、野菜ジュース |
2日目 | 朝: 具だくさん味噌汁、 野菜ジュース昼: オートミール粥のフルーツ乗せ、野菜ジュース間食:野菜ジュース夜: 10倍粥、野菜ジュース |
3日目 | 朝: 野菜ジュース昼: オートミールと野菜のリゾット、野菜ジュース間食:野菜ジュース夜: 10倍粥、野菜ジュース |
日本では白米のおかゆなどを食べることが多い準備食期間ですが、白米は長時間血糖値の高い状態を作り出しやすい性質があります。逆にフルクトースなどの単糖類が豊富な野菜や果物は加熱していない状態だと細胞内に糖質が吸収されやすいため、血中の血糖値を長時間高め続けることなくエネルギー変換されると言われています。
参考:The 80/10/10 Diet: Balancing Your Health, Your Weight, and Your LIfe One Luscious Bite at a Time by Douglas Graham
ただし、空腹感が続くとなかなか寝付けないということもありますよね。実は米由来のタンパク質には幸せホルモンの一種であるセロトニンの分泌に影響が与えているとも言われています。
そのため、夜にはお米のおかゆを取り入れて、ゆっくりリラックスした準備食期間を過ごすようにしています。
ファスティング:4~6日目
ファスティング中は体が冷えやすくなることの多い著者は、500mlの保温ボトルにお湯を入れて持ち歩くようにしてます。
また、ノンカフェインのお茶では、ハーブティーを飲む場合が多いです。
- ‐ミント…朝や気分をリフレッシュしたい時に。
- ‐カモミール…リラックスしたいときに。
- ‐ラベンダー…寝つきが悪い時や日中に精神的なストレスを感じた時に。
他にも温かい麦茶など、できる限り体を冷やさずに水分を取るよう心がけています。
回復食期間:7~9日目
7日目 | 朝: 野菜ジュース昼: スムージー 間食:野菜ジュース夜: 10倍粥、具だくさん味噌汁、野菜ジュース |
8日目 | 朝: 具だくさん味噌汁、 野菜ジュース昼: オートミール粥、野菜ジュース間食:野菜ジュース夜: 10倍粥、野菜ジュース |
9日目 | 朝: オートミール粥、野菜ジュース昼: オートミールと野菜のリゾット、野菜ジュース間食:野菜ジュース夜: 5倍粥、具だくさん味噌汁、野菜ジュース |
準備食のメニューとほとんど同じですが、食べる順番が逆になります。回復食では徐々に液体→固形物の食事に以降していく必要があるのですね。
なぜ準備食・回復食に野菜ジュースを取り入れているの?
実例を見ていただけるとお分かりかと思いますが、著者は準備食や回復食期間に野菜ジュースを多く取り入れています。
その理由は2つ。
1、ビタミンやミネラルを補給したい
2、細胞への吸収が早い糖質でエネルギーチャージしたい
ビタミンやミネラルは補酵素と呼ばれ、体に起こすほとんどすべての化学反応に影響を与える酵素をサポートする働きがあります。
でも、ビタミンやミネラルは加熱したり加工しすぎると、失われたり変性したりして体内でうまく機能できなくなってしまうのです。体の代謝やその他機能を促すためには、生の野菜や果物から摂れる良質なビタミンやミネラルが必要。でも準備食・回復食中に大量の固形物は食べられない。だから、栄養たっぷりな野菜ジュースを取り入れることにしているんです。
また、吸収が早いと言われる野菜や果物の糖質を取り入れることで、血糖値の上昇時間をなるべく短くエネルギーチャージが目指せるのも、野菜ジュースを加えている理由です。
特に野菜の栄養素やうま味を最大限に残した製法で作られたコールドプレスジュースは、良くファスティングでも取り入れられており、カリフォルニアではジムやプールの横にジュースショップなどを見かけることも多々ありました。
下記ではファスティングにコールドプレスジュースがおすすめな理由について詳しくまとめていますので、ぜひ併せてご参照ください。
3日間ファスティング成功のポイント3選
それでは最後に、3日間ファスティング成功のためのポイントを3つご紹介します。3日間の断食に加えて前後3日ずつの食事制限もあり、実質9日間に渡るスケジュールとなる「3日間ファスティング」。挫折しないためにも、そしてせっかくのファスティングを無駄にしないためにも、ぜひチェック見てみてくださいね。
成功のポイント1、適度な運動を取り入れる
断食中の過度な運動はNG。長距離マラソンや重量挙げトレーニングなどは控えるようにしましょう。ただし、体が冷えやすくなるのため軽いジョギングやヨガ、ストレッチなどの運動を取り入れることがとても重要になります。また、運動で脳へもしっかり血流が送られることで、ストレスの軽減にもつながると言われています。ファスティング中のストレス軽減のためにも、ぜひ楽しみながら運動してみてくださいね。
成功のポイント2、食材などに気を付ける
準備食や回復食、またはファスティング中のお水やお茶の品質には注意が必要です。残農薬や添加物が含まれているものは体の毒素を蓄積させる原因となり、ファスティングの目的と拮抗してしまいます。準備食や回復食で取り入れるオートミールや野菜、果物、ジュースなど、それからハーブティーの品質などもしっかりチェックしておきましょう。
下記では無農薬の野菜や果物を使って準備食・回復食専用のジュースセットをお届けしていますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
成功のポイント3、もう少し気軽な方法から挑戦
全9日間のファスティングは、正直簡単ではありません。もちろん、成功した時には達成感もありますし、体調や体重の変化を感じる人も多いです。でも、これから試す場合、
「本当に続けられるかな?」
と不安になる人も多いですし、すでに試したことがある人なら、
「またあれをやるのか・・・」
と感じる人も少なくないのではないでしょうか?
また、9日間の食事制限は人によっては体調を崩したり、栄養不足を引き起こす可能性もあります。
実際著者も気持ち的にも仕事の都合的にも頻繁におこなうことはできません…。
そんな時におすすめなのが次の方法!
全3日ファスティング
準備食、ファスティング、回復食の期間をそれぞれ一日ずつ設けた、計3日間のファスティングなら、3日間の完全断食よりも気軽にスタートすることができます。
丸一日、完全に断食するのに不安があるという人は…
ジュースクレンズ!
こちらは、野菜や果物のコールドプレスジュースだけで一日過ごす方法。ジュースで体をクレンズ(キレイにする)という意味が込められています。準備食と回復食は前後一日ずつおこなうのがおすすめで、こちらも合計3日間のスケジュールでおこなうことができます。
2時間置きに野菜ジュースが飲めるので、完全な断食よりも空腹を心配も少なく、より気軽にスタートできます。実は上述でお伝えした、カリフォルニアに多いジュースショップももともとはジュースクレンズ用のショップの場合が多いです。
アメリカで発症したジュースクレンズは、栄養満点のコールドプレスジュースを使ったファスティング方法で、1980年代から今でも人気があります。
下記では医師監修のジュースクレンズ専用のコールドプレスジュースセットをお届けしています。
まとめ
今回は3日間のファスティングについて、やり方や効果、実際にやってみたスケジュールなどを詳しくご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?ぜひ、定期的な体のメンテナンスでヘルスケアを楽しんでみてください。