今回はファスティング中の運動についてご紹介します。あまり過度な運動はおすすめではありませんが、軽度な運動が必要と言われるファスティング中。運動が必要な理由や運動方法をお伝えしてきます。
ファスティングと運動

ファスティング(断食)中は、食べ物を入れないことによって身体がゆっくりとリセットモードに入り、デトックスに適した状態になります。しかしこのときに、
- 全く運動しないのは良くない
- けれど負荷の高い運動(筋トレ・激しい有酸素)はNG
という“ちょうどよい運動のライン”が存在します。この記事では、科学的研究や生理学の知見をもとに、ファスティング中に最適な運動と、避けるべき運動について、分かりやすく解説します。
ファスティング中に「全く運動しない」のが良くない理由

ファスティングに入ると、身体は 代謝を落として省エネモード に入ります。
その結果:
- 血流が低下
- むくみやすい
- 冷えやすい
- 倦怠感が出やすい
- 胃腸の動きが鈍くなる
という変化が起こります。もし まったく動かずに過ごすと、この省エネモードが強まり、排泄しづらくなったり、だるさが増したり、デトックス効率も下がります。つまり、ファスティング中こそ“軽く動く”ことで身体は整いやすくなる。
ここでも役に立つのが「軽い運動」。
- 血流を促す
- めぐりを改善する
- 体温を上げる
これによって冷えの改善にもつながります。
ファスティング中のおすすめ運動(安全で効果的)

ファスティング中に最も相性が良いのは 低〜中強度の運動です。
① ゆるいウォーキング(10〜20分)
- 代謝が自然に上昇
- 血流が良くなる
- 体温が上がる
- 脂肪燃焼効率が高まる
まさにファスティングとの相性が最強と言えます。
② 軽いストレッチ&深呼吸
- 緊張を緩める
- 自律神経を整える
- 体温アップ
- ゆるやかに代謝が向上
③ ゆったりヨガ
ヨガは軽い運動×呼吸の組み合わせで、
- 循環
- 自律神経
- むくみ
- 冷え
- リンパ
の改善効果が期待できる。
④ ラジオ体操・肩回し・巡り運動
短い時間で身体が温まるので、断食中に最適です。肩こりなどは冷えのサインとも言えます。普段あまり運動しない方でも簡単にできるので、ぜひトライしてみてください。
なぜ「激しい筋トレ・高強度運動」がNGなのか?(科学的理由)

ファスティング中は糖が不足しています。体が使えるエネルギー源は「脂肪」にシフトしますが、これには “ゆるい運動のときだけ” 効率よく働きます。
しかし高強度運動(激しい筋トレ・ランニングなど)では、身体は脂肪ではなく 糖(グリコーゲン) を必要とします。ファスティング中に糖はほぼ残っていないため、下記のような現象がおきます。
- 筋肉を分解してエネルギーにしようとする(筋分解が起きやすい)
-
- 最も避けたい現象。
- 身体が“筋肉を削って”糖を作ろうとする。
- 低血糖になりやすく、めまい・ふらつき・吐き気のリスク
-
ファスティング中の深刻な副作用の一つ。
- コルチゾール(ストレスホルモン)が急上昇
-
むくみ、冷え、免疫低下にもつながる。
- 脂肪燃焼効率が落ちる
-
強度になると脂肪ではなく糖の利用が増えるため、ファスティングの目的(脂肪代謝)と逆効果。
- パフォーマンスが低下し、怪我をしやすい
-
ファスティング中に高強度トレーニングをしてもメリットがほぼない。
論文が示す科学的根拠

PubMed ID: 15212756(Jeukendrup ら) は、脂肪が最も使われる運動強度(Fatmax)を調べた研究で、「脂肪が最も燃えるのは“低〜中強度”としています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15212756
研究者たちは、「運動の強さ(強度)が変わると、身体が使うエネルギー源(脂肪・糖)はどう変わるのか?」を調べるために、次のような実験を行いました。
被験者に“いくつかの運動強度”で運動してもらう
- 非常に軽い運動
- やや軽い運動
- 中くらいの強度
- さらに強い運動
…など、「何段階かの運動強度」に分けて実施。
運動中に、身体が何をエネルギーとして使っているかを測定
- 脂肪(脂肪酸)
- 糖(グルコース)
これを呼気ガス分析などで詳細に計測し、運動強度ごとの“脂肪燃焼の量”を調べました。
結果
脂肪が最大限に燃えるのは VO2max の 40〜55%(低〜中強度)であることがわかりました。具体的には以下の通り。
- 運動強度が低いほど脂肪利用が多くなる(歩行・軽いサイクリングレベル)
- 強度を上げると、脂肪ではなく“糖”を使い始める(ランニング・筋トレのような高強度)
- 脂肪燃焼は中強度を超えると大きく低下(息切れするような強度では脂肪はあまり使われない)
つまり、ファスティング中に脂肪を燃やしたいなら、軽い運動がおすすめと言えるのです。
まとめ(この記事の要点)

- 運動ゼロはNG
-
血流低下・代謝低下・冷え・むくみの原因に
- ファスティング中は冷えやすい
-
省エネモードで代謝が落ちるため
- 軽い運動が効果的で安全
-
- ウォーキング10〜20分
- ストレッチ
- 深呼吸
- やさしいヨガ
- 軽い巡り運動
- 激しい筋トレ・高強度運動はNG
-
- 筋分解が起きやすい
- 低血糖のリスク
- コルチゾールが上昇
- 脂肪燃焼効果が下がる
- めまい・怪我のリスク
ファスティングをされる際には、ぜひ参考にしてみてください。


