ファスティング(断食)は近年、健康思考や美容にも取り入れられる食事法ですがリスクを心配される方も多いようです。そこで今回はファスティングに伴うリスクとリスクの回避方法と注意点をまとめてお伝えします。ファスティングの正しい知識を身に着けて、より効率的にファスティングライフを楽しんでみてください。
ファスティングとは?
ファスティングは、一定期間食事を摂らずに水や特定の飲み物だけで過ごす方法です。期間は短期間(1日〜3日)から長期間(1週間以上)までさまざまです。また、完全な絶食だけでなく、コールドプレスジュースだけを摂取する「ジュースクレンズ」や、断続的に食事を制限する「16時間ファスティング」「インターミッテントファスティング(断続的断食)」も人気があります。
ファスティングのさまざまなやり方について、詳しい記事はこちらからご覧ください。
ファスティングの効果
ファスティングには、体を浄化し、消化器官を休ませることで、エネルギーの消費を減らし、代謝を改善するというメリットがあるとされています。
体の根本であるエネルギーに関わるファスティングの効果は多岐にわたります。
- デトックス効果
- 免疫力アップ
- 肌荒れの改善
- イライラや不安の改善
- やる気やモチベーションのUP
- 睡眠の質改善
- ダイエット効果
- 食欲コントロール
- アンチエイジング効果
下記ではファスティングの詳しい効果や理由について詳しくまとめています。
しかし、これらの効果を得るためには、適切な方法と計画が必要であり、無計画なファスティングは身体に悪影響を及ぼす可能性があるのです。せっかく健康のためにファスティングをしたいのに、逆効果になってしまうのはとても残念ですよね… ファスティングに挑戦したいと考えている人も、やってみたらうまくできなかったと言う人も、しっかりリスクと正しい方法を知って、効率よく、そして楽しくファスティングに取り組んでみてください。
ファスティングのリスク
それではファスティングのリスクを見ていきましょう。
ファスティングのリスク1. 栄養不足
最も一般的なリスクは、栄養不足です。ファスティング中は、通常の食事から得られるビタミンやミネラルが不足する可能性があります。特に長期間のファスティングを行う場合、身体はエネルギー源として脂肪を使い始めるため、一時的に体重が減少することがありますが、同時に筋肉量も減少する可能性があります。また、ビタミンやミネラルの不足が続くと、免疫力の低下や肌や髪の健康に悪影響を与えることがあります。
ファスティングのリスク2. 糖質不足による血糖値の低下とエネルギー不足
ファスティングを行うと、血糖値が急激に低下することがあります。これは、特に糖尿病やインスリン抵抗性を持つ人にとって危険です。血糖値が低くなると、めまいや頭痛、集中力の低下、さらには意識を失うリスクが高まります。また、ファスティング後に急に食事を再開すると、血糖値が急上昇する可能性があり、これも身体に負担をかけることになります。
ファスティングのリスク3. 水分不足
水分摂取を怠ると、ファスティング中に脱水症状が起こる可能性があります。食事を摂らないことで、食物から得られる水分も減少するため、意識的に水を飲むことが重要です。脱水症状は、口の渇きや頭痛、倦怠感、さらには腎臓への負担を引き起こすことがあります。
ファスティングのリスク4. 代謝の低下と冷え
ファスティングを続けることで、身体は「飢餓状態」と認識し、エネルギーを節約するために代謝を低下させることがあります。これにより、ファスティング後に通常の食事に戻した際、体重が戻りやすくなるリバウンド効果が生じる可能性があります。特に極端なファスティングを繰り返すことで、代謝がさらに悪化し、長期的には体重管理が難しくなることが考えられます。
また、特に女性の場合は代謝低下による“冷え”にも注意が必要です。冷えはさらなる代謝低下を促すだけでなく、生理やPMSを悪化させたり、肌のターンオーバーを低下させたり、さまざまな不調の原因となります。
ファスティングのリスク5. 精神的なストレス
食事を制限することは、身体だけでなく、精神的にも負担をかけることがあります。ファスティング中は、食べ物に対する欲求が強くなることが多く、これがストレスやイライラの原因となることがあります。さらに、ファスティングを長期間行うことで、食事に対する執着が強まる可能性もあります。特に、過度に食事を制限することが習慣化すると、健康的な食事を楽しむことが難しくなることがあります。
ファスティングのリスク6. ファスティング後の体調不良
ファスティング後に食事を元に戻した際に体調不良を感じる人が多いのもリスクのひとつと言えます。上述で少しお話しましたが、血糖値が下がった状態から急に通常の食事に戻って、今後は血糖値が急上昇すると、体調不良だけなくさまざまな疾患へのリスクも高まります。また、脂質やタンパク質など消化に悪いものを急に取り入れると、消化器系の内臓がびっくりして消化不良や便秘を引き起こすことも。
ファスティングのリスクを回避する方法
上述でお伝えしたファスティングのリスクを見てみると、「大丈夫かな?…」と少し心配になる方も多いかもしれません。ですが、ファスティング自体は体にいいことが証明されていて、食事療法としても取り入れられています。
下記ではブログの監修をしてくださっている、ファスティング専門家の石原新菜医師にインタビューをしています。ぜひ併せてご参照ください。
ファスティングにはリスクもあるものの、正しい知識やひとそれぞれの体質・性格・目的などに合った方法を選べば、健康的に行うことができます。今回は上述のリスクを交えて、どんなリスク回避方法があるのかご紹介します。
ファスティングのリスクを回避する方法①16時間ファスティング
16時間ファスティングはその名の通り、一日の内16時間はファスティングするという方法。つまり8時間は通常の食事をとっても問題ないということになります。
実は体内に蓄積された脂肪やオートファジーの活性化は、食後12時間以降にスタートすると言われています。(※脂っこいものや消化に悪いものを採った際はさらに時間がかかります。)
そのため、16時間ファスティングはファスティングの効果も期待できるだけでなく、糖質や栄養不足も起こしにくい方法と言えるのです。
ファスティングのリスクを回避する方法②ジュースクレンズ
ジュースクレンズとは、野菜や果物のコールドプレスジュースだけを飲んで過ごすファスティング方法のひとつで海外でもメジャーな方法でもあります。
コールドプレスジュースを取り入れるのは、搾汁機で起こる摩擦によってビタミンやミネラルなどの栄養の破壊が最小限に抑えられるため。また、うま味もキープされるため、数時間置きにおいしく栄養満点なジュースを取り入れながらも、消化器官で大量に消耗されるエネルギーを節約することができます。
また、適度で自然な糖質も取り入れられることから、低血糖を起こすリスクを減らし、ファスティング後の低血糖が関連するリバウンドや不調の軽減にもつながります。
ただし、ファスティング中は体内の毒素を排出するために、できるだけ添加物や農薬などを取り入れないのがベター。コールドプレスジュースも無添加無農薬な製品を選ぶようにしましょう。
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ファスティングのリスクを回避する方法③運動や入浴を取り入れる
体の中で消化がおこなわれているということは、そこにエネルギーが発生しているということであり、エネルギーは熱をもっているので自然と体温が高まります。
でも、ファスティング中は消化活動がほとんど停止している状態なので、体が冷えやすく代謝も下がってしまうのです。
そのため、体を冷やさないよう、軽い運動や入浴を取り入れるのがベスト!
ただし、リスクにもあるとおり、エネルギー不足や水分不足が起こりやすいため、ハードな運動や長時間の熱い湯舟で入浴することは避け、ストレッチやヨガ、水分の取りながら温かい湯舟で入浴などがおすすめです。
ファスティングのリスクを回避する方法④準備食・回復食を入れる
ジュースクレンズや一日以上のファスティングを行う際には、準備食や回復食を取り入れることで、血糖値の急降下に関連するリスクやファスティング中、およびファスティング後の消化器系に関わるリスク回避にもつながります。
ファスティングのリスク回避(おまけ)
上記は一般的であり有効的だと考えられるリスク回避の方法ですが、もう一つ、実際にヘルスケアライターで定期的にファスティングをおこなっている著者が考えるリスク回避のコツをご紹介させてください。
それは
「スケジュールを立てる」です。
仕事がすごく忙しい時、女性ホルモンが乱れやすい時期、子供や家族のイベントがある週などは、ファスティングを成功させるのも難しく、またファスティングによってストレスが溜りやすかったり、思うようにリスク回避を行えない場合が多いです。
そのため、いつやるのがベストなのか、どんな飲み物を用意するのか、どんな運動を行うのか、などあらかじめ決めておくことで、リスク回避しながらファスティングを成功させることができ、また、次もトライしてみようという気持ちを持てることで定期的にファスティングに取り組むことができるようになります。
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ファスティングを行う際の注意点
ファスティングにはリスクが伴いますが、正しい方法で行えば効果的な手段となる場合もあります。以下は、ファスティングを安全に行うためのいくつかのポイントです。
1. 医師に相談する
特に、健康に不安がある場合や、慢性的な疾患を抱えている場合は、ファスティングを始める前に必ず医師に相談しましょう。糖尿病、高血圧、心臓病などの持病がある場合、ファスティングは身体に大きな負担をかける可能性があります。また、妊娠中や授乳中の女性もファスティングは避けるべきです。
2. 短期間から始める
初めてファスティングを行う場合は、ジュースクレンズや1日、16時間などの短期間のファスティングから始めることをお勧めします。体がファスティングに慣れることで、無理なく続けることができます。無理に長期間のファスティングを行うと、体に大きな負担がかかり、逆効果となることがあります。
3. 水分補給をしっかり行う
ファスティング中は食事を摂らない分、水分補給が非常に重要です。水やハーブティー、塩分を含む電解質ドリンクを適切に摂取することで、脱水症状を防ぎ、体内のバランスを保つことができます。また、コーヒーや緑茶などのカフェインを含む飲み物は、利尿作用があるため、過剰に摂取すると逆に脱水症状を引き起こす可能性があるので注意が必要です。
4. 徐々に食事を再開する
ファスティング後は、急に通常の食事に戻すのではなく、徐々に消化に優しい食事を摂ることが重要です。例えば、スープや煮物、野菜中心の軽い食事から始め、少しずつ通常の食事に戻していくことで、消化器官への負担を軽減できます。また、暴飲暴食を避け、体がゆっくりと食事に慣れるように心掛けることが大切です。
まとめ
ファスティングは、適切に行えば健康や美容に役立つ手法ですが、リスクも伴います。栄養不足や血糖値の変動、脱水症状、代謝の低下などのリスクを理解し、正しい方法でファスティングを行うことが重要です。また、ファスティングを始める前には医師に相談し、短期間から始める、徐々に食事を再開する、水分補給を怠らないなどのポイントを守ることで、リスクを最小限に抑えることができます。
最終的には、無理をせず、自分の体調や目的に合ったファスティングを行い、健康的なライフスタイルを目指すことが大切です。