今回はファスティングダイエットのやり方をご紹介します。ファスティングはたびたびダイエットにも用いられる方法ですが、実はしっかりやり方や目的を知っておかないと、リバウンドやダイエット失敗になりかねません。自分に合った目的とやり方を選びましょう。
ファスティングダイエットとは?
まずはファスティングの効果をおさらい
ファスティングは断食とも呼ばれ、古くからさまざまな文化や宗教で実践されてきた食事制限ですが、近年ではダイエットや健康改善の手段としても注目を集めています。
ファスティングは、一定期間の食事摂取を制限することで、体内のリセットを図る手法です。ファスティングには、食べ物を一切摂取しない完全断食から、一部の食材のみを摂取するプチ断食やゆるファスティングと呼ばれるものまで、さまざまな形態があります。
ゆるファスティングについては下記の記事で詳しくご覧ください。
ファスティングはダイエット効果以外にも下記のようなさまざまな効果が期待できるとされています。
- デトックス効果
- 免疫力アップ
- 肌荒れの改善
- イライラや不安の改善
- やる気やモチベーションのUP
- 睡眠の質改善
- 食欲コントロール
- アンチエイジング効果
ファスティングのさまざまな効果については下記の記事で詳しくご紹介しています。
ただし、実はファスティングダイエットは減量のためのものではなく、健康管理を目的としたもので、体重を減らすための方法ではありません。次で詳しくみていきましょう。
ファスティングダイエットとは?
ファスティングダイエットとは、その名の通り、ファスティングでダイエットをするやり方のこと。ただし、ファスティングやダイエットという言葉は欧米から来ており、特にダイエットという言葉は日本の“減量”とは少し異なります。
オクスフォード辞書によると、英語でDiet(ダイエット)とは
“1.the kinds of food that a person, animal, or community habitually eats.
2.a special course of food to which a person restricts themselves, either to lose weight or for medical reasons.”
1. 普段ヒトや動物が食べるもの
2. 治療や減量のための食事コースや制限
のことを言います。
Oxford Languages and Google – English
そのため、日本でいう管理栄養士は英語でDietitian(“ダイエット”を管理する人)と言います。
つまり、ファスティングダイエットというのは、そもそも日本でいう減量方法ではなく、健康のための食事制限や食事法、または食事そのものという意味合いなのです。
「じゃぁファスティングで減量はできないの?!」
というと、そういうわけでもありません。
次の項目で詳しくお伝えします。
ファスティングにダイエット効果はあるの?
先ほどもお伝えした通り、ファスティングダイエット本来の目的は減量ではなく、健康維持や向上です。
食事を制限するため、一時的に体重を減らすことはできるかもしれませんが、それは短期的なもので、ファスティングダイエット=痩せるためのものではないのです。
ただし、ファスティングがもたらす効果自体が、“間接的”に脂肪を燃やしやすくしたり、デトックス効果が期待できることも事実です。また、物理的にカロリーを減少させるため、一時的ではありますが体重も減少します。
ファスティングのダイエット効果①消化器官を休めて代謝をUP
ファスティングをすると食事が制限されるため、普段、消化のために大量に消費していたエネルギーを代謝や免疫細胞の活性に割り当てることができると言われています。
ファスティングのダイエット効果②オートファジーを活性化
免疫細胞の一種が古い細胞を自己分解させて新しい細胞の生成を促す働きをオートファジーといいます。ファスティング中、細胞内のエネルギー(主に糖質)がなくなると、オートファジーが活性化されて古くていらなくなった細胞から準備分解されはじめ、その結果元気な新しい細胞の生成が促されます。老廃物が排出されるため、ファスティングにはデトックス効果が期待できると言われているのです。
ファスティングのダイエット効果③睡眠の質向上
お肉や揚げ物など脂質やタンパク質が多い食事は、10時間以上消化に時間がかかると言われています。でも、ヒトの体が消化に大量のエネルギーを消耗するため、消化中は他の作業ができなくなります。
特に睡眠中は体の老廃物を改修したり、体内の回復をしたりするために重要ですが、お腹に食べ物が残っているとこれらの作業が滞ってしまうのです。睡眠が妨げられると、老廃物は蓄積しやすく、代謝は悪くなり、回復も遅くなります。
逆にファスティングで消化器官を休ませた状態で睡眠を摂ることで体も目覚めもすっきりし、睡眠中も日中も代謝を向上させることができます。
このように、ファスティングは減量という意味でのダイエット効果を目的とした方法ではないものの、減量できる可能性があるということがわかります。実際に減量に重点を置いた研究も見てみましょう。
ファスティングにダイエット効果:論文紹介
ファスティングとダイエットに関する論文①
2022年に発表されている海外の論文では、ADF(Alternate Day Fasting)と呼ばれる一日置きのファスティングをするというやり方で体の変化を検証しています。
ADFの基本的なやり方
断食日 | 断食日には、通常の食事量を大幅に減らし、摂取カロリーを0~500キロカロリー程度に制限します。これは、ほぼ完全な断食状態を保つ日と考えられますが、水や無糖の飲み物などの摂取は許されています。 |
食事日 | 食事日は、特別な制限を設けずに、通常の食事を摂ることができます。多くの人は、食事日には好きなものを食べることができるため、断食日を精神的に乗り越える助けになるとされています。 |
実験内容と結果
実験内容 | 肥満参加者を対象に、交代日断食(ADF)の効果を調査しました。参加者は、14人がADFグループに、残りの12人が標準的な低カロリー食グループに割り当てられました。8週間にわたり、ADFグループの参加者は「断食日」にはカロリー摂取を大幅に制限し、翌日の「食事日」には自由に食事を摂りました。 |
参加者 | 26人中14人がADF、12人が一般食。 |
結論 | ADFグループでは、標準的な低カロリー食グループよりも有意に多くの体重減少が見られました。また、ADFグループは、インスリン感受性指標(Si)の顕著な改善も報告されました。 |
参考:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35194176/
ファスティングとダイエットに関する論文②
2021年の研究では16時間ファスティングの結果を検証しています。
実験内容と結果
実験内容 | 12週間の時間制限食事法(TRF)に参加しました。16時間ファスティングをおこなってグループは、1日のうち8時間は自由に食事を摂り、残りの16時間は断食しました。対照グループには、食事や運動習慣を変更しないよう指示されました。 |
参加者 | 25名の肥満者を対象 |
有意な結果が得られた人数 | 22名 |
結果 | この結果、体重の減少が観察された他、血圧の改善も見られました。 |
参考:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10115489/
目標にあったファスティングのやり方を見つけましょう。
ファスティングには論文にも登場したADFや16時間ファスティングの他にも、さまざまな方法があります。自分に合った方法を見つけてみてくださいね。
16時間ファスティング
16時間ファスティングは先ほど論文にも出てきたとおり、一日8時間が通常の食事をし、16時間は断食をするという方法です。断食は睡眠の時間もカウントできるため、比較的継続しやすい方法と言えます。ただし、ネット上では「16時間ファスティング 意味ない」などという検索も多いです。やり方によってはなかなか結果が出にくい場合もあるよう・・・。
下記では16時間ファスティングの詳しいやり方やOK・NGな飲み物などもご紹介しているため、ぜひ併せてご参照ください。
ジュースクレンズ
一日だけおこなうファスティングですが、こちらは減量というより、食べすぎや飲みすぎた日をリセットしたり、消化が遅くなっている、疲れがとれないなどという時に体をリセットする目的でおこなうのがおすすめです。老廃物や便秘で下っ腹がポッコリしてしまうという方も、野菜ジュースで栄養を摂りつつ体をクレンズしてみましょう。
下記ではジュースクレンズについて詳しくご紹介していますので、ぜひ併せてご参照ください。
3Day断食
こちらは少し本格的なファスティングのやり方です。初心者の方はまず上記の2つか1Day断食からスタートするのがおすすめ。3Dayの場合には前後に3日ずつ準備食や回復食を追加し、体への負担を少なくしつつおこないましょう。
下記では準備食にも回復食にも使えるレシピをご紹介しています。ぜひ併せてご参照ください。
ファスティングダイエットの注意点!成功へのカギとは?
何度もお伝えしている通り、ファスティングはそもそも減量のための方法ややり方ではありません。そのため、「体重を減らす」のではなく「健康を意識すると結果的に体重が減る可能性がある」という認識でいることが大切です。
また、すぐに体重が戻ったりリバウンドをしてしまう人は、そもそも食生活の改善が必要だったり、運動が必要な可能性もあります。
つまり、ファスティングだけではダイエットを持続的に成功させることは難しく、定期的にファスティングを挟みながら、食生活の見直しや運動を取り入れることが大切というわけですね。
実際筆者もカリフォルニアの大学でヘルスケアを学んでいた際、ファスティングで欧米特有の肥満などを改善している症例を何度もみたことがあります。
ただ、彼らの多くは100キロを越える大きな体で、やせ型が多い日本人とは状況が異なっていました。
日本人は欧米人に比べてインスリンの分泌も少なく、エネルギーの貯蔵も少なく、代謝も良いとは言えません。そのため、欧米人のように何日も長期的かつ継続的にファスティングを行うよりも、ビタミンやミネラルなどの栄養を補給しながら、定期的に半日や1日だけ「体をリセットする」ためにファスティングを取り入れるのがおすすめです。
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まとめ
今回はファスティングダイエットについて、やり方や効果などを詳しくお伝えしましたがいかがでしたか?ファスティングは健康目的を最優先しておこなうのがベスト。栄養を取り入れながらファスティングを試してみたいという方は、下記の農薬・化学肥料・添加物不使用のジュースクレンズセットもぜひチェックしてみてください。