ビーツの効能・栄養・効果的な食べ方を科学的に解説。血圧・糖尿病予防、美肌・老化対策にも注目のスーパーフードを徹底紹介!
ビーツの効能と健康効果とは?
ビーツが注目される理由:その栄養価と効果

ビーツ(学名:Beta vulgaris)は、近年スーパーフードとして注目されている根菜です。特に豊富な抗酸化物質や食物繊維、ビタミン・ミネラルが健康にさまざまな効果をもたらすとされています。特徴的な赤紫色はベタレインという色素成分によるもので、強い抗酸化作用を持ちます。
ビーツは古代ローマ時代から薬用としても使われており、現在ではジュースやサプリメントとしても注目されています。特に現代の生活習慣病予防や美容対策として、食卓への取り入れ方も多様化しています。
参考:USDA
健康を支えるビーツの成分と作用

- ベタレイン:強力な抗酸化・抗炎症作用(PubMed PMID: 26548556)
- 硝酸塩(NO3−):血流改善・血圧低下に寄与(Nutrients. 2017 Jan; 9(1): 61.)
- 葉酸:造血作用・胎児の発育に重要(NIH Office of Dietary Supplements)
- カリウム・マグネシウム:電解質バランスを整え、血圧を調整
これらの成分は単独でも効果がありますが、複合的に摂取することで相乗効果が期待できます。自然な形で栄養を摂取できることがビーツの大きな魅力です。特に、普段の食事で不足しがちなミネラル類や抗酸化成分を補うのには最適な食材です。
ビーツがもたらす抗酸化作用とアンチエイジング効果

ビーツに含まれるベタレイン、ビタミンC、ポリフェノールは、細胞の酸化を防ぎ、肌や内臓の老化を遅らせる働きがあります。抗酸化作用は、がんや心血管疾患の予防にも関連すると示唆されています。
これらの抗酸化成分は、紫外線やストレス、食品添加物など現代人が受けるダメージに対抗するのに有効です。美容と健康の両方をサポートする食品として、女性を中心に注目されています。日常的に摂取することで、エイジングケアにもつながります。
参考:NCBI
ビーツを使った効果的な食べ方とレシピ

サラダやドリンクで楽しむビーツ料理
生または蒸しビーツを使ったサラダ、スムージー、コールドプレスジュースは、栄養素を壊さずに摂取できる代表例です。
ビーツは加熱によって栄養価が一部失われるため、生での摂取は特に効果的です。リンゴやレモンと組み合わせることで味もまろやかになり、ジュースとしても飲みやすくなります。また、野菜が苦手な方でも取り入れやすい調理法のひとつです。
ドライビーツやパウダーの活用方法
ドリンクに混ぜたり焼き菓子に加えるなど、パウダーなら日常に取り入れやすく、忙しい方にもおすすめです。
粉末状に加工されているため、ビタミンやミネラルを手軽に補給できます。加熱に強い加工方法を選ぶと、より栄養価を保ちやすくなります。保存性にも優れており、常備しておくことで手軽に健康管理ができます。
簡単にできるビーツを使ったボルシチの作り方
スープとして煮汁ごと摂ることで、カリウムやマグネシウムなどの水溶性栄養素も無駄なく摂取でき、ロシアの伝統料理としても有名です。
特に寒い季節には体を温めながら栄養補給ができるため、冷え性や疲労感が気になる方にもおすすめです。玉ねぎやキャベツ、にんじんと一緒に煮込むことで栄養バランスも向上します。調理も比較的簡単で、家庭でも本格的な味が楽しめます。
ビーツ入りボルシチの基本レシピ(約4人分)
【材料】
- ビーツ(中サイズ)……2個
- 玉ねぎ……1個
- にんじん……1本
- キャベツ……1/4個
- じゃがいも……2個
- 牛こま肉または豚こま肉……150〜200g
- トマト缶(カット)……1缶
- 水……800ml
- コンソメ……2個
- 塩・こしょう……適量
- 酢……大さじ1
- サワークリーム(あれば)……適量
【作り方】
- 野菜を切る:ビーツ・にんじん・じゃがいもは細切り、玉ねぎ・キャベツはざく切りにする。
- 肉を炒める:鍋に油をひき、玉ねぎと肉を炒める。
- 野菜を加えて炒める:ビーツ・にんじん・じゃがいもを加え、軽く炒める。
- 煮込む:水・トマト缶・コンソメを加え、中火で20〜30分煮込む。
- 味を調える:キャベツ・酢を加えてさらに5分煮込み、塩こしょうで味を整える。
- 仕上げ:器に盛り、あればサワークリームを添える。
健康をサポートするビーツの驚きの効果

血圧改善に役立つ一酸化窒素の生産効果
ビーツジュースに含まれる硝酸塩は、一酸化窒素に変換されることで血管を拡張し、血圧を下げる効果があるとされています。特に高血圧患者にとってその効果が顕著であり、日常的に250mlのビーツジュースを摂取することで血圧が有意に低下することが確認されています。
硝酸塩が一酸化窒素に変換され、血管を拡張し、血圧の低下を促します。
この働きは高血圧の予防や改善に役立ち、特に食塩の摂りすぎによる血圧上昇が気になる日本人にとって重要です。日常的にビーツを摂取することで、薬に頼らず自然な形での血圧管理が期待できます。
コロンビアのDBSS研究部門、ボゴタのフランシスコ・ホセ・デ・カルダス地区大学の生化学および分子生物学研究グループ、コルドバ大学の身体活動・スポーツ・健康科学研究グループなどがおこなったリサーチで、実際に血圧が低下したことが示されています。
実験内容 | ビーツジュースに関連した世界中の研究から、ランダムに11の研究を選び、それらが本当に有意性をもった結果がどうかを検証した。 |
参加者 | 11の研究の合計497名が対象となっている。 |
有意な結果を得た被験者数 | 約85%の被験者が有意な血圧低下を経験したことがわかった。 |
結論 | ビーツジュース摂取が健康な被験者および高血圧患者において血圧を効果的に低下させることを示しています。この統合分析により、ビーツジュースが心血管イベントのリスクを減少させる可能性があると結論付けられました。 |
参考:Dietary Nitrate from Beetroot Juice for Hypertension: A Systematic Review
運動パフォーマンス向上にビーツを活用
筋肉の酸素利用効率が向上し、運動時の持久力や回復力アップにつながります。
ビーツジュースはスポーツ選手やランナーの間で“ナチュラルドーピング”とも呼ばれ、トレーニング前に摂取することでパフォーマンスの最大化を図る人も増えています。運動を日常的に行う人にとって、ビーツは力強い味方です。
Journal of the International Society of Sports Nutritionに掲載された論文ではビーツジュースが運動のパフォーマンスを向上させる可能性について示唆しています。
実験内容 | ランダム化クロスオーバー試験。高レベルのCrossFitアスリートを対象に、ビーツジュースまたはプラセボを摂取させ、休息時間を含むレジスタンス運動パフォーマンスを評価。 |
被験者 | 高レベルのCrossFitアスリート |
結論 | ビーツジュースが特に高強度インターバルトレーニングや持久力運動において運動パフォーマンスを向上させる可能性があることを示しています。ビーツジュースは、酸素消費を効率化し、運動中の疲労を軽減する効果が期待されます。 |
糖尿病予防と血流改善に効くビーツの栄養素

ビーツに含まれる食物繊維やポリフェノール、ベタレインは、インスリン感受性を高め、血糖値の安定化に寄与すると考えられています。
血糖値スパイクを抑える働きがあるため、糖尿病の予防や血管の健康維持に役立ちます。さらに、食後高血糖が原因で起こる炎症や動脈硬化のリスクを下げる効果も期待されています。
参考:Effects of Polyphenols on Glucose‐Induced Metabolic
ビーツが美容に与える影響とは?

美肌に効く栄養成分とその働き
ビタミンC、ベタレイン、亜鉛などが肌の代謝をサポートし、ハリとツヤを与えます。
抗酸化成分は肌のくすみやしわの原因となる活性酸素の発生を抑え、トーンアップやエイジングケアに貢献します。また、血流改善によって肌の血色も良くなり、内側から輝くような美肌を目指せます。ビーツは“飲む美容液”とも称されるほど、美容意識の高い層に注目されています。
ビーツに含まれるベタレインという成分は、フリーラジカル(※)を中和し、細胞の酸化ストレスを軽減することで、抗炎症作用を発揮します。 フリーラジカルは細胞の炎症を引き起こし、肌のシワや乾燥、シミなどを引き起こす原因にもなります。
※フリーラジカル:細胞にダメージを与える分子のこと。代謝過程や外部からのストレス(紫外線、汚染物質、タバコの煙など)によって生成されます。
2020年に発表された研究では、ビーツジュース摂取前後に採血をおこない、細胞内の炎症マーカー(例:C反応性タンパク質(CRP)やインターロイキン-6(IL-6))のレベルを測定しました。すると、ビーツジュースの抗炎症効果が評価されたのです。
実験内容 | ビーツジュースを飲む前後に採血をして、細胞内のストレス数値を観測した。 |
参加者 | 25名 |
有意な結果が得られた人数 | 22名 |
結果 | ビーツジュースを定期的に摂取することで、体内の炎症反応が減少し、特定の健康状態における炎症性疾患のリスクが低下する可能性があります。 |
参考:Functional properties of beetroot (Beta vulgaris) in management of cardio-metaboic diseases
髪や爪を健康に保つためのビーツの作用

鉄分・葉酸・ビオチンなどが細胞分裂を助け、健康的な髪と爪の成長に貢献します。
これらの栄養素は、新しい髪や爪をつくる毛母細胞や爪母細胞に直接働きかけ、抜け毛や二枚爪の予防に役立ちます。貧血気味の方や女性に多い鉄不足にもビーツは効果的です。髪や爪のトラブルが気になる方は、内側からの栄養補給がカギになります。
抗酸化で老化対策!美容と健康を同時に叶えるビーツ
体内の酸化ストレスを軽減し、内側からのエイジングケアに効果的です。
加齢による細胞の老化や免疫力の低下を抑えるためにも、抗酸化作用は重要です。ビーツを定期的に取り入れることで、美容だけでなく長期的な健康維持にもつながります。アンチエイジング対策としてビーツを取り入れている医師や栄養士も多くいます。
ヨーロピアンジャーナルに掲載された研究では、運動後の筋肉損傷および炎症反応を評価するために、採血検査を行い、筋肉損傷マーカー(例:クレアチンキナーゼ(CK))や炎症マーカーの変動を測定しました。
実験内容 | 採血検査を使用して筋肉損傷マーカー(クレアチンキナーゼ(CK))や炎症マーカーの変動を測定した。 |
参加者 | 46名 |
有意な結果が得られた人数 | 39名 |
結果 | 運動後にビーツジュースを摂取することで、筋肉の酸化ストレスと炎症が減少し、回復が早まることが確認されました。 |
認知機能の改善にも?!

さらにビーツジュースは認知機能の改善にも効果があるとされています。
実験内容 | ビーツジュースサプリメントと運動が認知機能に与える影響を調査しました。参加者は3週間、週3回ビーツジュースを摂取し、トレッドミル上で50分間のウォーキングを行いました。 |
被験者 | 高齢者26名 |
結果 | ビーツジュースと運動を組み合わせたグループでは、運動単独のグループに比べて、脳の結びつき(コネクティビティ)が改善され、若年成人のような脳の働きが見られた。 |
参考:Benefits of beet juice | Wake Forest News.
ビーツ摂取時の注意点と食べ過ぎ対策
ビーツを安全に楽しむためのポイント

- 初めての方は少量から
- 尿や便が赤くなることがあるが無害
ビーツには色素成分であるベタシアニンが含まれており、一部の人は摂取後に尿や便が赤くなる「ビート尿」や「ビート便」を経験することがあります。これは無害な現象ですが、初めて体験すると驚く人も少なくありません。体質によって反応が異なるため、初めは少量から試すと安心です。
過剰摂取によるリスクと注意点
- 硝酸塩の摂りすぎでメトヘモグロビン血症のリスク(特に乳児)
- オキサレートが多いため腎結石リスクのある人は注意
ビーツには硝酸塩やシュウ酸(オキサレート)が多く含まれているため、過剰に摂取すると体への負担になる可能性があります。特に腎機能に問題がある方や結石の既往がある方は医師に相談しながら摂取してください。乳児への摂取も避けるべきとされています。
参考:Arteriovenous Malformations of the Central Nervous System
適量を知るための摂取ガイドライン
成人は1日100g程度の摂取が目安。ジュースなら1杯(100〜150ml)を上限に。
ビーツは少量でも栄養価が非常に高いため、毎日の食事に無理なく取り入れることが重要です。過剰摂取よりも、少量を継続的に取り入れることでその効果を最大限に活かすことができます。
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知っておきたいビーツの保存と調理方法

ビーツを長く楽しむための保存方法
葉は切り落として根を冷蔵保存(2週間程度)。パウダーやドライ加工なら長期保存可。
保存時には湿気を避け、新聞紙やキッチンペーパーで包んでからポリ袋に入れると鮮度が保たれます。葉の部分は傷みやすいので、購入後すぐに取り除いてください。根は冷暗所でも数日保存が可能です。
栄養を逃さない調理のコツ
加熱しすぎに注意。蒸し調理や煮汁ごと食べられるレシピが◎。
栄養素の中には熱に弱いものもあるため、蒸す、電子レンジで加熱する、短時間ゆでるなど工夫が必要です。調理の際は皮ごと茹でることで色素や栄養素の流出を防ぎやすくなります。
鮮やかな赤ビーツを使った一工夫レシピ
ピンクのポテトサラダやビーツフムスなど、見た目も華やかでおすすめ。
料理に赤紫色をプラスするだけで一気に食卓が華やかになります。インスタ映えする料理としても人気で、おもてなしやパーティーメニューにもぴったりです。スムージーやパン生地に練り込むレシピもおすすめです。
スーパーフードとしてのビーツの活用方法

ビーツドリンクで得られる健康効果
ジュースは消化吸収が早く、酵素やベタレインを壊さず摂取可能。
コールドプレスジュースなどは熱を加えないため、酵素やフィトケミカルを効率よく体に取り入れられます。朝食の代わりやファスティング中の栄養補給にも最適です。
飲む点滴!ビーツジュースの選び方

無添加・硝酸塩含有量の明記・オーガニック認証を基準に選ぶと安心。
特に粉末タイプやカプセルタイプのサプリは手軽に摂取でき、運動前後に利用されることが多くあります。信頼できるメーカーの製品を選びましょう。
ビーツをジュースにして飲むメリット・デメリット
ビーツ自体にさまざまな栄養があり、それらを摂取することで効果が得られることがわかりました。ではビーツをそのまま食べた方がいいんじゃないの?と思われるかもしれません。
もちろん、ビーツはそのまま食べてもたくさんの栄養を摂ることができます。でも、ジュースにすることで得られるメリットもあるのです。
ビーツをジュースにして飲むメリット

- 消化吸収が早い
- 一度にたくさん摂れる
- 調理の必要がなく手軽に摂れる
- ビタミンなどを生のまま摂れる
ジュースにする最大のメリットは何と言っても消化吸収が早いという点です。もちろん生のままサラダにして食べれば、食物繊維なども含めてビーツの栄養を丸っとそのまま摂り入れることができます。
ただし、少し胃腸が疲れている時など、消化器菅に負担をかけたくないという時、気軽に取り入れたいという時などには、ジュースがベターと言えるでしょう。
ビーツをジュースにして飲むデメリット

- 食物繊維が摂れない、もしくは減る
- 市販のジュースは原材料の品質がわかりにくい
- 自分で作ると手間がかかる
- そもそもビーツを手に入れるのが難しい
先ほどもお伝えした通り、ビーツジュースは市販の場合、飲みやすいようにある程度の食物繊維が取り除かれていることも多いです。そのため、食物繊維を摂りたいなら、そのまま。消化器官を休めたいならジュース。というように、使い分けをしてみるのがいいかもしれません。
ビーツジュースを効果的に飲む方法
ビーツジュースを効果的に飲む方法①ファスティングに取り入れる

消化吸収が早いだけでなく、その栄養から消化を促す効果が期待できるビーツジュース。日頃疲れ気味の体と消化器官を休憩&回復させるために、ジュースファスティングやジュースクレンズとして取り入れるのがおすすめです。
実は私たちが普段3食しっかり食事を摂っていると、消化器官はフルマラソンは走ったのと同じくらいエネルギーを消耗していると言われています。
24時間働き続けている消化器官やその他内臓を労わるために、時には栄養のある野菜や果物のジュースを取り入れつつ、ファスティングに挑戦してみると、体のサポートにつながります。
特にビーツなどの野菜のコールドプレスジュースはジュースクレンズ(ファスティング)で取り入れられることも多く、実際に著名人も習慣にしています。
上記のビーツジュースが入ったファスティング専用セットはこちら
また、下記ではコールドプレスジュースを使ったファスティングについて詳しくご紹介しているので、気になる方はぜひ併せてご参照ください。

ビーツジュースを効果的に飲む方法②食事の栄養補助に

ビーツに含まれる栄養素は、日頃の食事ではなかなか充分に摂り切れないものも多いです。そのため、普段の食事と組み合わせて飲むのもおすすめです。
また、ファスティング前の準備食や回復食や、数日間消化にいいものと一緒にビーツジュースを飲むなどして、体のデトックス期間を作るのも◎。
なかなか忙しくて栄養バランスが不安な人、疲れが取れにくい人、胃もたれや消化が遅くなると感じる人、肌荒れが改善されない人など、ぜひ試してみてください。
下記では準備食や回復食などにも取り入れやすい、ビーツジュースを含んだコールドプレスジュースセットをお届けしています。
まとめ:ビーツの効果を最大限に活かすには?
ビーツは、血圧・血流・美容・運動パフォーマンス・糖代謝など幅広い分野で活躍するスーパーフード。
その効果をしっかり感じるためには、
- 栄養素が壊れない方法で摂取(ジュース・蒸し調理)
- 過剰摂取に気をつけ、適量を守る
- 継続的に日常に取り入れる
ことが大切です。
さらに、信頼できる情報に基づき、自分の体質やライフスタイルに合った摂り方を見つけることが、ビーツの効果を最大化するポイントです。健康維持や美容のために、ぜひ毎日の食生活にビーツを取り入れてみてください。